第16話 メタルの巣を発見する(メタルスライムをワンパンできるとしたら……

「次が40Fです。ここから魔物のランクが上がります。みなさん、お気をつけてください」  


【配信コメント】

:真面目かよwww

:新見さんが気をつけてw

:がんばれよー!

:とりあえず投げ銭しとくわ✋


「新見くん。同接は30万人よ……っ! デビュー配信でこの数字はすごいわっ!」


 香月社長に褒められる。


 前職じゃ誰にも褒められたことがないから、正直割と嬉しい。


 ここは新宿ダンジョン40F——


 C級からB級の魔物が出現する。


 まれに、A級の魔物も出る危険地帯。


 慎重に一歩を踏み出すが、


「壁が光ってる……」


 ダンジョンの壁から、光が漏れて。

  

 いったいこれは?


【配信コメント】

:壁なんて光ってないが

:また幻覚?

:本当に大丈夫?


 リスナーさんには、見えてないのか……?


 もしかして、俺にしか見えてない、とか?


 いや、配信用ドローンのカメラのせい……?


 俺が光る壁に手を振れると、


 ゴゴゴ……っ!


 壁が動いた……


【配信コメント】

:これってまさか……

:出現率1000000分の1だぞ

:運が良すぎwww


 ——モンスターの巣。

 

 超低確率でダンジョンに出現する隠し部屋。


 普通に探索していても、絶対に見つからない極レア級の魔物が中にいる。


 レアアイテムをドロップする魔物はもちろん——


「め、メタルスライムが……こんなにたくさん」


【配信コメント】

:メタルの巣キタ━━━━━━(゚∀゚)━━━━━━ !!!!!

:経験値エグいwww

:レベル爆上がりやん


 この瞬間、同接は40万に跳ね上った——



  • Twitterで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る