第6話 なぜか人にチラチラ見られる(バズったからなのだが

「ふう……そろそろ地上だよ」

「ありがとうございますっ!」


 俺は桜井さんをおぶって、


 ダンジョンの出口を目指す。


 途中魔物に遭遇したが、なんとか逃げ切れた。


【配信コメント】

:鑑定士、がんばれ!

:あともう少しだ……

:ルナちゃんのおっぱいおっぱいおっぱい

:おい。やめれ↑

:マジで助かった

:ルナちゃん死んだら俺も死ぬ

:じゃあ死ねよ↑

:俺たちが見守ってるぜ

:支援

:イケメンすぎるやろw


 なけなしの給料で買った、配信ドローンも無事だ。


 24回払いのローンだから潰れてたら立ち直れない。


 まあどうせ配信やっても、見てくれる人いないけどな……


「出口だ……!」


 地上の光が見える。


【配信コメント】

:うおおおおおおおおおおおお!!

:やったああああああああ!

:主すげえwww

:ミノタウロス討伐から生還!

:ルナちゃんを地上で見たいいいいいい

:マジでよかった……


 ★


「本当にありがとうございましたっ! 新見さんは命の恩人です!」

「気にしないで。当たり前のことしただけだから」


 地上に到着後、桜井さんをダンジョン協会の医務室へ運んだ。


「ぜひお礼をしたくて……」

「お礼なんていいよ! 本当に無事でよかった! またね!」 

「あ、ちょ、待って!」


 俺は配信用ドローンを抱えて、医務室を出た。


 今、午後4時50分。


 ダンジョン協会のアイテム換金所が5時に閉まる。


 配信者ギルドをクビになった俺は、アイテムの換金だけが収入源だ。


 早く行かないと……!


 俺は走ってアイテム換金所へ行き、行列に並ぶ。


「ふう……なんとか間に合った」


 チラチラチラチラ「…………」


 やたらと探索者たちが俺を見てくる。


 俺の顔に、何かついてるのか?


 

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