第5話邪気殺し

月の神リンバはタナトスの娘で背は高く、ヘアスタイルがソバージュの色白だった。

やがて腰に回した左手を篠山の前へ差し出し握り締めた手指を開く。

「これを噛る。」

掌に乗った果実を篠山の眼前に差し出すと、そう言ってリンバは、クルミの様な実を篠山に差し出した。


 世間で流行るコロナ第7波が、今朝から篠山の全身を駆け巡り気管支に至っては、平熱36.5度から呼吸困難を併発して、夜には38.7度と体温は40度近くも上がっていた。


「ハイ、分かりま・・・。」


コリッ!半分噛った!

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