過去に戻っていた

真っ暗で何も見えない。なぜか体の感覚もない。意識だけがあった。おそらくここは天国か地獄なんだろうか。にしては神様とかいないような。一生ここにいるのだろうか。



(そうか、俺は死んだのか。)


確かに俺は階段で死んだ.....はずだ。


あの血の量で生きているはずがない。


自分の人生の終わりはあっけなかったな。


ん?なんか光が見えてきた。

ん!光がどんどん眩しくなってくる!







・・・・・・・・ん?目を開けれるぞ?


ここはどこだ?周りが柵のようなものに囲まれている。


しかも体を思うように動かすことができない。

待てよ?もしかしたら、ありえないかもしれないけどもしかしたら。

自分の手を確認してみるといつものゴツイ手ではなく、とても小さく、まるで赤ん坊のような手だった。


一旦情報整理してみよう。


・階段から落ちて死亡。


・目を開けたら柵のようなものに囲まれていた。


・からだを動かすことはできない。手も小さくなり、言葉が喋れなくなっている。←今


もしかしたらと思っていたが、これって


異世界転生ってことだよな⁈








とりあえず落ち着こう。深呼吸だ。

スーーーーーーーーはああああああ

だが、まさか転生するとは思わなかった。

けど、親や友達に最後ぐらい会いたかったな。

まぁそれはもう叶わないことだろうし、仕方ない。

そういえば転生したってことは魔法がある世界なのか?

だとしたら俺は何の魔法が使えるんだろうなあ~。個人的には水魔法とか氷魔法がいいな。

凡庸性もあるし使い勝手も良さそうだからな。そう考えるとめっちゃワクワクしてきたな。


そういえば目を開けてから結構経つけど誰も来ないな。お腹も減ってきたし、、まさか誰もいないなんてことはないよな?でもここから動けないしどうすれば....。あ、そうだ。



「おんぎゃあああああああああああ!!!」



必殺 ギャン泣き!これをすれば大抵の人は俺に気づいてくれるはず!さあ来い!


「あら~!大ちゃんもう起きたの~?お腹が減ったのね!ミルクを持ってくるわ~。」



ゑ?な、何で前世の母さんがいるんだ?しかも若くなってるし。


「はい、ミルクよ~!たくさん飲んで大きくなるのよ~。」



んぐ、お?結構美味しい気がする。幼児になってるからか?


ふうう!お腹いっぱい!


・・・・・さて、そろそろ現実を見ないとなあ。



階段から落ちて死亡。



目が覚めたら赤ん坊になっていた。




そして若い頃の母さんがいた。



これはもう確定といってもいいだろう。




俺、八神大地は過去に戻ってた。



しかも赤ちゃんの時から。




————————————


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