(四)
神社の入口付近、小高い丘のちょうど下まで降りてきた拓弥は、つい今さっき目にした事実に頭が混乱していた。いや、混乱というより、正しく何かを考えられなかった。ついさっきまで走ってきて、ランナーズハイの中にいたのだ。思考はまだ戻ってきていなかった。
しかし、冷静に考えれば、翔太が女の夜に二人で神社に来るという事実は、二人の関係がただならぬものであるはずだ。
翔太は言った。「会うのをやめよう」と。そうか……、そういうことだったのか。
(続く)
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