貝殻

昔、拾った貝殻を

ふと手に取って思い出す

潮の匂いと波の音


二度と行けない場所なのに

二度と逢えないひとなのに 

欠けた半身、探しては

咽び泣く風、通り過ぎ


心はいつも思うにまかせず

波のように寄せては引いて

思い出ばかりを反芻はんすう

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