夕暮れブランコ

誰もいない夕暮れの公園で

風に揺れていたブランコ

そういえば、と近づいて

そっと座ってみる


荷物を膝上に置いたまま

ゆっくり動かした

懐かしくなって

ふふふと微笑んだ


もうあの時みたいに

高くは漕げない

膝に抱えた荷物が

落ちてしまうもの


子どもの頃は

とても身軽で

そのまま飛んで飛んで

空までもいけそうだったのに


風を切る感触

今でも覚えている

それは還らない日々


ゆっくりと立ち上がって

家路を辿るわたしへ

別れを告げるように


ブランコが揺れていた

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