　告白を代行するサービスがあった。もちろん「あなたが好きです」の告白だ。そうと言えないシャイな人に向けて、このサービスは始まった。

　このサービスは快く受け入れられた。言い出せない。うまくしゃべれない。断られたらダメージが大きい。それらは告白につきものの感情だ。しかし代行をしてくれるなら、フラれても直接的なダメージが少なく、思いのたけは全部代行してくれる。シャイな人にとって、最高のサービスだった。

　とはいえ、どんなサービスにも問題はつきもの。事情が大きく変わる出来事が起こった。

　ある女性アイドルに恋をした男性がいた。そして、そのアイドルに告白代行を使ったのだ。普通に考えればＮＧが返ってくるのだが、なんと、ＯＫが出てしまった。

　そこからこのサービスがおかしくなった。

　気になる異性に対し、手あたり次第に告白代行を使う人が現れた。普通では交際できない人からＯＫがもらえるかもしれない。その魔力も強かった。お金は多大にかかるが、恋愛は人生を変える。手段を選ばない人がいても不思議ではない。

　かくして多数のトラブルが起こり、告白代行サービスは規制された。

　しかし、今もどこかで告白代行はなされている。規制の目をかいくぐっているわけではない。告白代行は、告白を手紙にさせる、ラブレターへと姿を変えたのだった。

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