第2話

 いつものようにさぼっていて、公園でたまたま一人で交信ごっこしてる人がいたから、交信に混ざってみた。


 手を繋がれて、公園を連れ出された。


 正直、ラヴロマンスが始まったと思った。がちで緊張した。


 全然そんなことはなかった。


「やっぱりだ。この女が原因か」


 なにやら、わたしが原因でどうこうという話をしている。手を繋がれているので、逃げようにも逃げられない。かなり危険なランデヴー。


「女」


「はぁ?」


 てめぇも女だろうが。


「今までの人生で、周りの人間が消えたりいなくなったりしたことは?」


「ない」


 ない、けど。


「でも、長くいると周りのひとたちがみんなわたしのこと忘れていくから、なるべくひとつところにとどまらないようにしている」


 だからこうやって、さぼって、公園にいる。


「やっぱりだ。この女が原因か」


 2回目の、やっぱりだ。やっぱりらしい。わたしにはさっぱり。

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