学園戦争(新)

小鳥遊 マロ

第1歩 改変

 学園都市──それは学校等の教育機関、特に高等教育機関、そして研究機関を集積させた計画都市の呼称である。

 しかし、この世界にはいくつも教育機関があるにも関わらず……“大人”がいない。──いや、それだと少々語弊がありそうだ。

 正確には“先生”が存在しない──と言うべきだろうか。いや、これもあまり適切な表現ではないな。

 この学園都市には人、エルフ、獣人、ドワーフ、動物人間、ロボットなど多種多様な者たちが存在している。確かに存在している。

 けれども、ロボットや動物人間……または特異的存在以外大人がいないのだ。

 そしてここである疑問が湧くであろう。

 教育機関に在籍している生徒はどのようにして授業を受けているのか。また、彼女たちはどこから生まれてきているのか。

 それを聞かせてやってもいいが、すぐに答えてしまっては面白くない。なので、ロボットと動物人間ではない彼女たちについて、少しお話しをしよう……おっと誰かが訪ねて来たようだ。

 すまないが、この話の愉しみはまた次の機会にでも取っておいてくれ。

  



  ──まあ……だけどね。


 


 〈日記ノート???:番号???の最初で最後のページ〉より

 

 *    *    *    *    *


「……あなたが連合生徒会長が呼ばれたですね。よろしくお願いします」

 連合生徒会室にいる一人の少女は“先生”と呼ばれる一人の人物と対峙していた。

「まずはこの学園都市アースについて、歩きながら説明致します。どうぞこちらへ」

 先生は逸れないよう少女にピッタリと着いていく。

 そして今日この日この時間より、再び物語が動きだすこととなる。

 それが彼女たちにもたらすのは良き変革か、それとも悪しき変化なのか。

 それは今から始まる物語を読み解いていけば、いづれ同じ領域に到達し、理解できるであろう。

 さあ、諸君。共にこの物語の結末を見届けようではないかッ!

 

 

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