第26話
26話
今日は、迷宮の七層を目指そう。
朝ごはんに、昨日作ったカニカゴからとれたザリガニみたいなもののスープを飲みながら、そう思った。
このザリガニもどき、この世界では結構な高級食材なのだ。ナマモノなので単純に輸送が大変だし、死んじゃうとすぐ腐るし。冷凍して運べばいいんだけど、その冷凍ができるくらいの魔法が使えるのは、大抵が中位以上の冒険者や、貴族に仕える魔法使いだから、依頼費が馬鹿みたいにかかる。それで値段が積み重なるってわけだな。
「ここの川、アタリね」
「そうですわね。お魚さんも、川を見た限りでは王都ではあまりお目にかかれない高級食材ばかりでしたわ」
調理は今のところアテナに任せているが、調理以外は手持無沙汰だろう。
釣竿でもつくってやるか。暇な時間は釣りでもしていたらいいだろう。数本つくって、アテナのメイドにも釣らせよう。
釣堀ぽく椅子やら屋根やらもつくるか。お嬢様には屋根が必要だ。
食後にサクッと釣り堀、というか釣りスポットをつくって、アテナとそのメイドに魚の調達を任せた。カニカゴも増やして、それの管理も任せよう。この川は君らのポジションだ。
「沢山釣りますわよ!」
メイドたちも気合い入ってるね。
気合い入れれば入れるほど、釣りって上手くいかないよね。前世でも前前世でもそうだったわ。
さて、迷宮七層を目指すため、迷宮へ。
メンバーはいつもと変わらず。と思ったのだが、フェンがついてきたがったので連れてきた。
「バウ」
「面白いことないかもだけど、前は任せるわね」
フェンに前衛を任せる。ダルクのポジションは今日は後方、というか俺の横だ。
「フェンちゃん、かわいいですよねー」
「まあ、私のペットだからね。そりゃ可愛いわよね」
「フェンちゃんに乗るお嬢様が見たいです!」
「……帰りにね」
俺もたまには乗りたい気がしてきたわ。
フェンは、リトルボアを難なくしとめ続けている。
神速で近付き、腕を一振り。それで、リトルボアの首から鮮血が舞い、討伐完了。ウチでは俺の次に強いからな。さすがにリトルボア程度だと障害にもならない。
で、難なく進み、七層へ。
ちなみに六層の調査でも、特になにも発見されなかった。表向きは普通の迷宮なんだろうな。
七層。この層も、やはりボア系が出た。
「おお、普通のボアですね」
「アレなら、牙も皮も売れるかしらね?」
普通のボアは、リトルボアより一回りちょっと大きいボアだ。
うちの横の森からとってくるボアも、ほとんどはコレ。フェンがとってくるのは、また一回りちょっと大きいビッグボアだが。
「フェン、数体とったら帰るわよ。荷物が多い」
フェンが六層で屠ったリトルボアが多くて、荷物が大変だ。
今日のところはそこそこで引き上げよう。
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