ルナティック

満月の夜は雪が似合う。


しかし、覗いた小窓の先には、雪の気配なんて微塵もない。吐いた息の白さに驚く人々も、光り輝くイルミネーションもない。


目に入るのは、散らかったスニーカーと綺麗に揃った革靴、ドアの隙間から漏れる光くらいだ。


小窓の先には暖かい日常があった。


見知らぬ家族の日常が。

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