第9話 陽キャの嫉妬
これでもかと注目された2時間目の家庭科終了後、大貴はトイレに向かう。大ではなく小の方だ。
クラスの近くのトイレに入り、さっさと用を足す。
大貴がズボンを履き、ベルトを止めたところで、同じクラスの陽キャ2人もトイレを訪れた。
「おい! お前。陰キャのくせに、ちょっとバスケが上手くて料理も出来るからって調子に乗るなよ? 」
「本当にな!! 女子にキャーキャー言われて気分も良くなりやがってよ」
大貴を睨み付け、陽キャ達は怒りの帯びた口調で文句を口にする。
(女子にキャーキャ言われて気分が良くなってるわけではないんだけどな~)
決して口には出さず、大貴は胸中で不満を呟く。
幼少期の頃からそうだった。大貴は陽キャに嫌われたり、目を付けられる傾向があった。
そのせいで、何度か集団的いじめを受けた経験もある。
そのため、大貴には少なからず陽キャに対する恐怖心が有る。下手に反抗すれば、自分が不利になることも熟知している。学校でのスクールカーストは陽キャ達の方が高いのだから。
だから、するべき行動は1つだった。
「うん。分かった。ごめんね。下手に目立っちゃって」
負けを認め、素直に陰キャの言うことを聞いた。
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