第5話 約束の日

冬の訪れとともに、杏里と涼太の関係はさらに深まり、日常の中での小さな幸せを感じるようになった。しかし、そんな中、涼太から意外な告白があった。


「実は、来年から海外での研究が決まったんだ。」


涼太は海外の大学からのオファーを受けており、研究者としてのキャリアを海外で追求することになった。杏里は涼太の言葉に驚き、彼の決断を尊重する一方で、自分たちの未来に不安を感じるようになった。


数日後、杏里は涼太と二人きりで過ごす時間を持つことになった。秋の終わりに訪れた公園で、紅葉の美しい風景の中、二人は未来について語り合った。


「私は作家としての道を進みたい。でも、あなたと離れるのは嫌だ。」杏里は涼太に自分の気持ちを伝えた。


涼太は杏里の手を握り、彼女の目を見つめて言った。「僕も君と離れたくない。でも、このチャンスは一生ものだと思うんだ。」


二人はお互いの夢を追い求めることの難しさや、遠距離恋愛のリスクについて語り合った。その中で、涼太は杏里に一つの提案をした。


「君が作家としての夢を叶えるために、僕が海外での研究を成功させるために、一年後の今日、この場所で再会しよう。その時に、お互いの未来を決めよう。」


杏里は涼太の提案を受け入れ、二人は一年後の再会を約束した。その日、二人は夜まで公園で過ごし、星空の下で未来への誓いを交わした。

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