Sparks

オノマトペとぺ

第1話


正義の仮面を被り、無差別に放たれた悪意が

同じくらいの正義と悪意を持った火花に

正面から迎え撃たれて

雲のない夜空に

前衛的なアートのような軌跡を描いてる




それを遥か遠くから画面越しに見つめている僕と

瓦礫の住処から首をもたげて見上げる君と

同じ時の中にいながら、あまりに異なる瞬間を生きている


警報は既に日常なのだろうか

駅のホームで聞く汽笛のように

火花の衝突が残す煙は

青空に漂う雲よりも濃くて重いのだろうか




一方の正義がもう一方に残酷に降り注ぐ

その欠片を握り締め、別の正義が掲げられる



身を潜めて、息を殺して、

護られるべき者たちは

暗い影でその瞬間が過ぎるのを待っている

君はその映像のどこかにいて

僕はまるでフィクションを観ているかのような、そんな錯覚の中にいる




終わりの見えないこの時に、

終焉があったとしても、きっと、

たくさんの苦しみと未来への絶望は

どちら側にとっても分厚く高い壁として

揺るぎなく鎮座することだろう


きっとこの時の、この瞬間の、

最大の悪意は

ただそれを見つめるに留まる

僕みたいな人間なのだろう


聖戦の闇はきっとその場にはいなくて

遠くでただ眺めているのだろう

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