第4話 サモンモンスター②

「おおおおお! 剣も魔力もパワーアップしてますよ!」

「うん。これからは今までより役に立てると思う」

「サモンモンスターで食べて行けるんじゃないですか?」


 ウサギ1体を倒せば魔石1個。

 魔石1個の売値は1000ポイントで1000円と同じ価値だ。

 20体を倒せば2万ポイントなのでゲートに入ってサモンモンスターでモンスターを狩れれば楽になる。


「前より稼げる!」

「お肉が2つドロップしましたよ」

「おお! 持って帰って兄さんと食べよう」


 肉は魔石の他に追加でドロップする事がある。

 2人で均等にドロップ品を分けようとした。


「私はいいですよ」

「いや、均等分けが基本だかし、食事のお礼でもある」

「……分かりました」


 2人で報酬を分け合った。


「基本均等分けな」

「ありがとうございます。普通に私より強いんじゃ?」

「メイには切り札のスキルがあるから。次もサモンモンスターを使いたい。スキル検証だ」

「今日はいきいきしてますね。クラック君はおとなしいですか?」


「クラックは早く強くなりたいから黙ってるんだと思う」

「クラック君は紳士ですね」

「でも悪役なんだろ?」

「クラック君がアキラの魂なら、悪い人じゃないですよ。それにゲームと同じ人間か分からないです」


 メイは笑顔で言った。


 姿が似ているだけなら無くはない、でも、クラックも俺と同じで剣を使って闇魔法を使うらしい、こんな偶然ってあるか?

 それに、ゲームはどうやって作ったんだ?

 最初は見た目の良いメイをモデルにしたのかと思っていたが、クラックまで姿が一緒で名前や使うスキルまで一緒なのがおかしい。

 俺はモデルになった記憶が無いし……


「私も頑張ります☆」


 シュッシュッシュ!


 メイが蹴りの型を披露する。

 スカートがふわっと舞い上がり目のやり場に困る。

 メイは高校では自分を押さえているが人がいなくなると素に戻って元気になる。

 男に声をかけられないようにするためにわざわざ髪を赤と青の原色に染めて濃い化粧をしてゴスロリの黒いメイド服を着て黒いハイヒールタイプのブーツを履いている。

 顔が良いのも大変だな。


「次のサモンモンスターを行くぞ」

「次は私も戦います☆」

「分かった」


 キュインキュイン!


「サモンモンスター!」


 人間サイズのウサギが10体と、


 3メートルサイズのウサギが1体現れた。


「「ギュウウウウウウウウウウウウウ!!」」


「さ、3メートル級!」


 3メートル級は雑魚よりも強い。


「俺は3メートル級を相手にする! メイは雑魚を倒して加勢してくれ!」

「分かりました!」


 3メートル級に飛び込むとウサギがシュッとステップを踏んで後ろに下がった。

 横から来る雑魚に剣を振り倒すとその隙にすぐに前に出て来る。

 更に斜め後ろからも雑魚が飛び込んでくる。


 俺はバックステップで雑魚の攻撃を避けつつ蹴りを放つ3メートル級の攻撃を避けながら足にカウンターの一撃を食らわせた。


 3メートル級が着地して体制を立て直す間に作戦を変更した。

 今の内に雑魚を倒す!


 1体、2体と斬り倒した後で今度は3メートル級がジャンプして蹴りかかってきた。

 避けきれず剣で受けると足に剣が突き刺さりながらも強力な蹴りをそのまま放たれて後ろに飛んだ。


「アキラ!」

「大丈夫だ! 雑魚を倒してくれ!」


 メイが回し蹴りでウサギを倒し、踵落としで次のウサギを倒した。


「次で終わりです!」

「おっし! おりゃ!」


 3メートル級は俺が飛び込むと変則的にステップを踏んだ。

 蹴りかかって来る瞬間に剣でカウンターを食らわせる。

 そしてメイが後ろから飛び蹴りを食らわせた。


 後は2人で囲んで倒すと簡単に3メートル級が消えて、魔石10個を落とした。


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