俺という人物が身の回りで起きた事に勝手にツッコむ話

おっさん

　通っていた高校の近くに小さな公園が存在する。

　その公園には毎回、変なおっさんがベンチに寝転がっていた。『信長の野望』の攻略本を側に置いて。

　何かを統一（とういつ）しようと企（たくら）んでいるのではなく、ただ、読書をめいいっぱい楽しんでいるおっさんと、思ってくれていいだろう。

　俺達が公園に立ち寄ると「タバコあるか？」と、現役高校生（げんえきこうこうせい）の俺達に、あり得ない問いかけを行（おこな）ってくる。

　なぜか俺達はよくタバコを持っていたので、数本（すうほん）、手渡すとお金をくれた。

　わらしべ長者とはこういうところから始まるのだろう。