俺という人物が身の回りで起きた事に勝手にツッコむ話

福岡ゾンビ

坊主頭

 最近になって『うすしお』『うすあじ』などの言葉に敏感びんかんになってきた。


 塩分を気にするお年頃ではなく、単に俺の髪がうすくなってきたのだ。

   

 話は一気に変わり、俺が小僧こぞうだった時代、近場ちかばには坊主頭の先輩方が多数存在たすうそんざいした。

   

『ハゲ』という単語が大好きだった俺は、坊主頭の先輩を見かけると物陰ものかげに隠れて

「ハゲ野郎ー」などと罵声をぶつけていた。


 今考えるととんでもないクソガキである。

  

 猟銃りょうじゅうで獲物を狙う猟師の様に、俺と友達は物陰から狩りを行っていた。

  

 だが、俺達も逆に狩られる時が来たのだ。

  

 いつものように物陰から坊主先輩を目掛けて「ハゲ野郎ー」と叫ぶと、追いかけて来たのだ。さすがは先輩である。


 小僧の足では先輩にはかなわず、早々そうそうに俺達は捕まった。何が行われるのか。


 ボコられるのか、凄くボコられるのかが頭をよぎる。

  

「お前ら、お金持ってるか?」

  

 ボコられる事もなく、所持金を全額取られた俺達は解放された。

  

 この光景はドラ○エのゲームオーバー後、所持金が半分になるシステムに似ていた。

  

 ゲームで体験していた事をリアルでも体験させていただいたこの出来事は、貴重きちょうな体験だったのかもしれない。

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