第19話 ドラゴンの遺産の真実

エリナの身体から放たれた輝きは、夜の闇を完全に照らし出すほどの力を持っていた。


その光は、ダリオだけでなく、彼の部下や村の人々、そしてエリナの仲間たちの心にも深く染み入った。


「これが... ドラゴンの遺産の真の力...?」セリーナが驚きの声を上げる。


エヴァンとリリアも、その光の前に立ち尽くしていた。


エリナ自身もその力に驚きながら、彼女の中で目覚めた知識を探る。


そして、彼女はドラゴンの遺産の真の目的と、それを守るために自分たちが選ばれた理由を理解する。


「ダリオ。ドラゴンの遺産は、単なる力を持つアイテムではない。


それは、持つ者の心を映し出し、真の願いをかなえる存在なのだ」とエリナは告げる。


ダリオはその言葉を聞きながらも、彼の目には依然として執念が宿っていた。


「だったら、私の願いもかなえてくれるのだろうか?」と彼は問う。


リリアがダリオに近づき、「ダリオ、あなたの心の奥底にある真の願いは、過去の失敗を取り戻すことではなく、新しい未来を築くことではないの?」と問いかける。


その言葉に、ダリオは一瞬、動揺する表情を見せる。


エヴァンは、「過去は変えられない。しかし、未来は自分たちの手で築いていくものだ」と語りかける。


戦場の空気は、一気に緊張感に包まれる。


エリナ、セリーナ、エヴァン、リリア、そしてダリオ。彼らの間には、言葉にできない絆や対立が交錯していた。


そして、その瞬間、空から降り注ぐ星の光が、彼らの心と心を繋ぐかのように輝いた。

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