第37話 ホワイトクリスマス
あの日は空がオレンジ色に輝いて、宝石のような美しさだった。
彼と二人で見た。
肩を抱かれて微笑んだ。
「綺麗」
数日後、私は恋人と喧嘩して、心はどんよりと灰色の雲で覆われていた。
「大嫌い」
待ってと叫ぶあなたの声。
冬の季節。
ため息をはくと、白い吐息が溢れた。
夜の街を歩く。
クリスマスシーズン。街中にはキラキラ光るイルミネーション。
すると、雪がチラチラと舞い落ちた。
「雪」
しばらく空から降る雪を見ていた。
すると、後ろから傘を差し出された。
「風邪を引くよ?」
あなたは優しい微笑みで私を見る。
「どうして」
「この前はごめん。これを渡したくて」
彼は私の薬指にキラリと光る指輪をつけた。
「結婚してください。」
恥じらう彼に、私は目を丸くした。
そして、ふっと笑う。
「はい」
深夜0時の金が鳴る。
ホワイトクリスマス。
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