第21話 地上の光

私は種である。

我々は土を耕して、肥料を撒いてもらって。土に根を張る。人間に例えると住まいだ。

土の中で過ごして、水を与えてもらって、お日様の光が全身を駆け巡る。

するとどうだろう?

すくすくと地上に向かって伸びていく。

早くお日様を見たい。空を見上げたい。


ひょこと芽が地上へと伸びる。

地上の光を全身に浴びた。

(これが太陽。これが青空)


少女が私を見て花が咲いたような笑顔だ。

パタパタとかけていく。

「お母さん!芽がでてきたよ」


時には大雨、時には雪。天候が悪くなると私は室内に避難された。

少女は私の世話を毎日してくれた。

この少女が喜ぶ顔が見たい。

月日が経過して私はぐんぐんと葉が伸びて蕾になり、ピンク色の花を咲かせた。


少女が目を輝かせて言った。

「綺麗な色」


言葉が使えたら伝えたい。

『育ててくれてありがとう』

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