第2話 rencontre ラコントールェ



「ピコンさんや?」

「質問でしょうか? マスター。」

「あの木々が生い茂っている、森というのかな? あの奥から、キョエー! やら、ギャー! やら声がしますが、何の声ですかえ?」

「キョエー! やら、ギャー! ですね? 調べてみます。」


 ピコンさんが調べている間に説明的、振り返り…。


 川に支流を作ってしまったツバキ。

 何に対してビビったのかは不明だが、支流の終わりへと走り出すツバキ。

 支流の終わりは隣の川へと繋がっていたのを見て、安堵するツバキ。

 この光景を見て何故、安堵をしたのかは不明だが、ツバキにとっては大事件にならずに済んだようだ。

 そしてツバキと、姿の見えないピコンさんはその川沿いを下り、半刻ほど歩いた所で森のような場所にたどり着いた。

 その森の奥からは…。


 ピコン!

「解析完了。 先ほどから聞こえている奇声は 魔獣 ヒュドラ です。 何者かと戦闘中の模様です。 ちなみに何者かは虫の息です。」

「虫の息って…。 日本刀は知らないのに変な日本語は知っていますな…。」

「マスター。 今すぐに向かえば、虫の息の者は助かると思います。 経験値も入り、一石二鳥です。」

「日本語が堪能だなオイ!?」


 それじゃ行ってみますかね。僕はクッソ強いらしいし。


 僕はピコンさんの誘導のまま、何者かの加勢に向かった。


 そして、僕は戦闘エリアに入った。

「ギャー!」

 奇声と共に目に映る魔獣 ヒュドラ。

 

 はっ?


 デカいし!?


 なんか、首長いし!?


 顔が3つありますけどぉ!


「ピコンさんや?」

「質問でしょうか? マスター。」

「これ、怖いんですけど?」

「マスターはクッソ強いので問題ありません。 プラチナソードで首をぶった斬って下さい。 今回は練習のため、一本づつクビチョンパしましょう。」

「首チョンパって…。 今日日きょうび言わねえな…。」


 僕はプラチナソードを取り出し、戦闘エリアの中心に入る。


「ヒュドラービビってる! ヘイヘイヘイ!」

 僕の威嚇にヒュドラが叫んだ。

「ギョエー!」

 あまりの大きな叫び声に怖さを感じ、僕も叫んだ!

「ギョエー!」

 僕の叫びに釣られ、ヒュドラも叫ぶ!

「ギャー!」

 僕もその声に釣られ、叫ぶ!

「ギャー!」


 ピコン!

「マスター。遊んでいないでクビチョンパです。」

 ピコンさんの声で我に返る僕。


 あっ…。

 ヒュドラの叫び声に耐性が付いた…。


 よし!

 ここは僕のスキルでいくでやんす!


「真空ギョ…。」

 あっ、噛んだ…。


 シュパッ!

 トー◯堂の社長もビックリの切れ味!

 ヒュドラの左の首が見事にチョンパされた。

 てか、チョンパって…。

 


 ピコン!

「マスター。 シンクウザンです。 いい所で噛んでは格好がつきませんよ?」

「う、うるさい!」


 ピコンさんウザッ!


 気を取り直してー。

 からーのー!


「シンクウギリ!」


 シュパッ!

 またもや見事な切れ味でツーチョンパ。


 ピコン!

「マスター。 シンクウザンです。」


 あーもー無視っす。


「そして、最後はー。」


 僕はプラチナソードを鞘に納め、ヒュドラの目の前で目を閉じる。


 ヒュゴー、と荒い息のヒュドラ。


 ヒュドラが立ち上がるのを感じる。

 どうやらそのまま、僕に頭突きをするようだ。


「危ない!」

 可愛らしい女性の声。にも気づかない僕は、そのままヒュドラを切り付ける。


居合いあい真空斬しんくうぎり!」


 僕の剣筋が、ヒュドラの左肩から右脇腹へと入る。

 その数秒後、ヒュドラはその剣筋のとおりに二つに分かれた。


「つまらぬ物を斬ってしまった。」


 ヤバッ!

 これは決まったんじゃね?


「マスター。 シンクウザンです。 イアイシンクウザンです。」

 

 マジウザッ!


「てか、ピコンさんや? 実態化してね? その形って、ハ◯じゃね? ガ◯ダムに出てきたそれでしょ! 色もまんまじゃね?」

「マスター。 それはさて置いて、シンクウザンです。


「あの…。」

 僕の後ろから声が聞こえる。

 振り返ると、小麦色の肌をした銀髪の女性が座り込んでいる。


「マスター。 この方が虫の息の者です。」

「いや、ピコンさんや。 本人に向かってそれはダメなヤツです…。」



 

 





 

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