幕間 登場人物紹介
登場人物紹介
【ベーカリー「トランジット」の人々】
リョーコ…ベーカリーの店員。遺伝子破壊デバイス「破瑠那」を操る剣士。何度死亡しようとも次の個体に全ての記憶を引き継ぐ「記憶の不死」。異世界転生者で、前世では医師として働いていた。フリッツの「不死」を治療する方法を見出すが、その代償は大きく……
フリッツ…流浪の少年治癒師。魔剣「スプリッツェ」の所有者であり、彼の体液はその世界における変性遺伝子を破壊することができる。自己再生能力を有し、死亡しても記憶を失う代わりに元の肉体に転生する「肉体の不死」。転生者に対する憎悪こそが自分の存在証明であると信じて疑わなかったが、リョーコと出会うことによって彼の戦う意味は徐々に変化していく。
レイラ…ベーカリーの店長でレオニートの妻。かつては王国軍の特務部隊に所属しており、寮母を務めていたこともある。「
レオニート…レイラの夫。王国軍人であり、特務部隊から転任してエリアス王子の側近を務めていたが、五年前より行方不明。自警団長のリカルドとは刎頸の交わりを結ぶほどの親友であった。
ポリーナ…レイラとレオニートの娘。芯の強い策略家で、周囲も驚くような行動力を見せる。未来の最強騎士。
【王宮周囲の人々】
エリアス(エリオット)…第三王子、王位継承権第四位。骨董品集めを趣味とする、
カレン…王宮警備隊の副長であり、現在のエリアスの側近。全部で五隊存在する近衛隊の剣術師範も兼任している。代々の騎士の家系の出身で、幼いころから王家に対する忠誠心に厚いが、エリアスに対しては主従以上の感情を抱いてしまうことに悩んでいる。長剣とバックラーと呼ばれる小盾を操り変幻自在に戦う、王国の最強騎士。
ジェレマイア…治癒師アカデミーの理事長で、自らも治癒師である。物腰爽やかな紳士。先代理事長の遺志を継ぎ、治癒師の権利向上のために奔走していた。その行動を監視下に置くために、フリッツに接触を図る。
ロザリンダ…第一王女、王位継承権第三位。見習いの治癒師でもあり、ジェレマイアに師事して治癒魔法を学ぶ。政治には無関心で表立って国政に参画することはないが、柔和な性格と溌剌とした美貌から、国民にとってはアイドル的な存在である。姉である彼女はエリアスにとって、王宮内で心を許せる数少ない人物であった。
【自警団】
リカルド…自警団長。元王国軍特務部隊員であり、レイラやレオニートとは固い友情で結ばれている。巨大な手甲で相手を粉砕する、「
ニール…自警団副長。飄々とした口調でつかみどころのない性格だが、その実力は確かでリカルドからの信頼も厚い。三節棍と呼ばれる棒状の武器を得意とする。
【魔導士アカデミー】
ヒルダ…第六学年、最上級生。常に主席の天才だが、素行不良で卒業すら危ぶまれていた。「デッカーズ・クラブ」でダンサーとしてバイトをしており、幅広いファンを持つ。学生でありながら王国における最強魔導士の一人で、変性遺伝子を破壊できる攻撃魔法「核撃」の考案者。その恋愛観は自由奔放で老若男女を問わないが、秘めた思いは常に一人だけに向けられている。異世界転生者。
【悪魔とその組織】
セルビカ…組織の代表者。自らも悪魔であり、また人間を悪魔に改変する知識と技術を持つ。冷静沈着で長期的な視野の持ち主であり、異世界に対抗するために水面下で転生者の排除を行っていた。治癒師アカデミー理事長ジェレマイアのもう一つの顔であるが、根底に流れる理念は両者で変わることはない。
ランディ…燃えるような赤い髪にハーフミラーのゴーグルが特徴的な武闘家。人間でありながら悪魔に協力して、転生者の排除を陰からサポートしていた。身体能力は抜群で、不調だったとはいえ治癒魔法で肉体強化したフリッツをも終始圧倒していた。その正体は、王位継承権第四位のエリアス王子。
ナイル…半人半山羊の悪魔。穏やかな性格の女性だが、転生者に対する憎しみは強い。悪魔はその能力と引き換えに細胞周期が異常に亢進しており、彼女の寿命もすでに限界に近づいていた。
カクシクス…アナーキーな風貌の若者。直情的で欲望に忠実だが、非常に仲間想いでもある。相手を殺すことにためらいはないが、それは彼が殺人嗜好者というわけではなく、単に任務に忠実なだけである。ぶっきらぼうな言動だが相手の押しには弱い、愛すべき性格の人物。
キュニフォルメ…ラバの四肢に孔雀の羽を持つ女悪魔。転生者に家族を皆殺しにされた過去を持ち、復讐に執念を燃やす。セルビカの施策を手ぬるいと批判する武闘派ではあるが、冷静さを失うことはなくその任務を着実に実行している。戦闘力は悪魔の中でもナヴィクと並んでトップクラスで、ヒルダを戦闘不能に追い込みリョーコをも追い詰めた。
メリッサ(ナヴィク)…かつては魔導士アカデミーで総代まで務めていた優秀な生徒だったが、卒業を間近に控えた二年前に行方不明となる。悪魔として甦った後は転生者の排除にその能力をいかんなく発揮していたが、ヒルダとの戦いで相討ちとなった。一命を取り留めた彼女は、以後はエリアスの片腕として王国の再建に身を投じていくことになる。戦略眼に非常に優れており、「天使」の出現を予見してヒルダに「核撃」の利用拡大を進言した。脅威的な詠唱速度を誇る、最強魔導士の一人。
バスタス…短い二本の角を持つ、堂々とした体躯の巨漢。悪魔でありながら人間であるランディに忠誠を誓い、様々な任務を帯びて活動している。グレイブという薙刀を軽々と振るう怪力の持ち主であり、誇りに満ちた心優しき武人である。その正体は、行方不明となっていたレイラの夫レオニート。
【天使とその組織】
ミストレス…治癒師の能力で遺伝子改変を行う、天使たちの創造主。「不死」を手に入れることで「現人神」となることを画策している。彼女自身は支配欲や権力欲などとは無縁であり、大天使のガブリエルは彼女を「心がない」と評している。治癒師であると同時に卓越した魔導士でもあり、肉体強化による格闘・ブーストした詠唱速度による攻撃魔法・戦闘中に受けたダメージの即時回復など、あらゆる面で隙のない強さを誇る。第一王女ロザリンダの真の姿。
ミカエル…三大天使の一人。身長三メートルの巨人であるが、大天使は自らの肉体をある程度自由に変化させることができ、彼の姿もその一形態に過ぎない。ふざけた口調ではあるが、ミストレスに対する忠誠心は本物である。
ラファエル…三大天使の一人。美形の青年の容姿を持つ巨人。ミストレスに狂信的な憧れを抱いており、彼女を妨害する者は全力で排除する。大口径の散弾砲や全身に仕込まれた小弾頭は、ラファエルの肉体とユークロニアの科学を融合させた生体兵器であり、これらはガブリエルが考案・発明した上でミストレスが治癒魔法を利用して組み込んだものである。
ガブリエル…三大天使の一人。やはり自由に肉体を変化させることができるが、フリッツを捕獲する任務を帯びた彼女は少女の姿で現れることが多い。天真爛漫な発言と行動は、実は自我が崩壊しかけている前兆である。あらゆる次元の断片的な知識を駆使して、ユークロニアレベルあるいはそれ以上の兵器を開発することができる。聖書におけるガブリエルの役割は神の言葉を地上に伝達することであるが、人造のガブリエルは言葉を持たないミストレスの代りに彼女の心となって、その孤独を肩代わりすることになる。異世界転生者。
【実験棟】
カタリナ…フリッツの姉。付与魔導士であるが治癒師の素質も持っていた彼女は、弟と共に「不死」作成実験の被験者に選ばれる。自らが失敗作であることを早くから悟っていたカタリナは、治癒魔法を応用した戦闘理論をフリッツに伝授するとともに、転生者を識別する魔法「エアケネン・フラグメント」をフリッツ専用の長剣「スプリッツェ」に付与して、来るべき悪意から弟を守ろうとした。フリッツと共に逃亡を試みて力尽きるが、カタリナの最期の言葉は皮肉にも呪いの言葉となって、以後のフリッツを縛り続けることになる。
アンブローズ…実験棟を統括する教導師。カタリナに秘めた愛情を寄せており、彼女を実験材料にした前任者を含め職員全員を密かに殺害。研究施設を掌握した後は異世界に復讐するための研究に没頭し、変性遺伝子を利用して強大な力を得るミュータント「悪魔」を開発した。最後は自ら悪魔「フェルテブラ」に変態しフリッツと交戦。相討ちとなって、カタリナへの想いと共に空に散った。
【その他の登場人物】
グラム・ロックの男…濃いメイクと奇抜なファッションに身を包んだ、謎の人物。異世界間での人為的な改ざんを監視し修正するために暗躍しており、リョーコに「破瑠那」と「スプリッツェ」を渡した。そして最後にガブリエルと接触したのは、彼の気まぐれだったのか、それとも……
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