第58話 山賊の相手する
農民の振りをした山賊たちは馬車の後ろから矢を放ってきます。
しかし、矢はトリシャ様の防御魔法で全て防がれています。
「矢を放っても全て防げるから無意味だけど、しつこいね」
「しかし、走っている馬車へ的確に命中させるのはかなりの腕ですよ」
「そうだね。射るときよりも距離は離れてるのに、防御魔法で防さないと
確実に馬車に命中してるよね」
「そうですね。ロングボウを当てるとはかなりの腕ですね」
「でも、射程じゃなくなったから射るのはやめたようだよ」
「そうですね。ただ、馬車は止まりましたが」
アルニルとトリシャ様が話していますと、馬車が停止しました。
原因は先程エモリーとトリシャ様が言っていたとおり、他の山賊の道を塞いだためです。
「人数は5人だね」
「後ろの人数を入れるとひとまず10人ですね」
「でも、精霊からの反応だとあと数人はいるみたいだよ」
「そうですね。他に隠れている仲間がいてもおかしくないですからね」
アルニルとトリシャ様はこう言いますが、かなり落ち着いています。
「アルニルもトリシャ様も落ち着いていますね」
「魔王軍と比べたら山賊なんて大した事ないよ」
「そうですよ。それに、王族の馬車を襲うなんて命は惜しくないってことですからね」
トリシャ様もアルニルはニヤっとしてこう言いますが、かなり悪い顔をしています。
「そうですが、捕まえて法で裁かないといけません」
「出来る限りそうしますが、やむおえずと言う事もありますから」
「そうだよ。あたしも命を取りたくないけど、抵抗されたらやむおないよ」
「そうですね」
アルニルとトリシャ様は悪い顔をで悪います。
「2人共、悪い顔をしていますが、アランさんとエモリーは既に相手をしていますよ」
イザベラがこういいますが、アランとエモリーは道を塞いだと山賊と剣を交えています。
「2人もなかなかやりますね」
「2人で倍の人数相手いして、余裕だよね」
「2人共、そのような事を言ってないで、加勢してください」
わたしがこのように言いますと
「道を塞いでいたの5人は2人で倒したよ」
とトリシャ様が言います。
「でも、他にも隠れている山賊がいますよね?」
「そうだね。2人に向かって矢が飛んで来たからね」
トリシャ様はこういう言いますが、木の上から矢が飛んできています。
しかし、矢はトリシャ様の防御魔法ですべ防がれています。
「まったく、皆を守るのは魔力を使うから疲れるよ」
「そうですが、防御魔法はトリシャしか使えませんので頑張ってください」
「言われなくてもがんばるよ。でも、イザベラも防御魔法ぐらい使えそうだけど」
「一応使えますが、トリシャの様に広範囲を防御できませんので」
「つまり、自分だけを守るって事だよね」
「2人ぐらいまでなら守れますよ。ただ、トリシャの様に長い時間は厳しいです」
イザベラも防御魔法は使えるものの、馬車やアランやエモリーを守る事は出来な上に
長い時間は無理だそうです。
「矢を防ぐのは良いですが、このままだと囲まれてしまいますよ」
「防御魔法を使ってると、こちらから攻撃は出来ないからね」
「それはわかっていますが、一体何本矢があるのかと思うぐらい放ってきますね」
防御魔法を展開していますと、攻撃を全て防げても自分たちから攻撃する事が出来ません。
なのでこちらからも攻撃をしたいのですが、矢は次々に放たれてやむ気配がありません。
「後ろの山賊もかなり距離を詰めてきてるね」
「そうですね。姿が見えてきました」
「トリシャ、隠れている山賊の位置はわかりますか?」
「体温がまとまっている所が道の両側にあるから、そこかな」
「距離はどれぐらいでか?」
「そうだね。両側とも20mと言った所かな」
「そんなものですか。でしたら、隙が出来たらトリシャがなにかの魔法を放ってください」
「わかったよ」
アルニルとトリシャ様は詳しく言いませんが、何かを示し合わせたようです。
「詳しくは聞きませんが、頼みますよ」
「任せてください、フローラ様。トリシャ、右側は威嚇程度でよいですが、左側は任せます」
「わかったよ」
「では、行ってきます」
アルニルは剣を持って、馬車は降ります。
「あたしも行ってくるよ」
「怪我をしても治せますが、死なないでくださいよ?山賊の矢はには毒を塗っているとも本に書いてありましたから」
「わかってるよ。それじゃ、あたしも行って来るよ」
トリシャ様も馬車を降りますが、矢を防がれるのをわかったのか矢は一時的にやみました。
すると、トリシャ様は魔法を唱えます。
馬車の中からでは詠唱は良く聞こえませんが、雷が左右に飛んでいきましたので雷撃の魔法を使ったようです。
その雷撃は一部だけ防御魔法を解除し、解除された部分から山賊に向かって飛んでいきます。
そして、右側の解除された部分からアルニルも雷撃が飛んでいく方向へ素早く走っていきます。
雷撃はまっすぐ進んでいくとトリシャ様が言っていたぐらいの
距離にある木の上で強い光が発しましたが、 どうやらその木から山賊が矢を言っていたようです。
矢が飛んでい来るという事は、障害物で少ない事なので雷撃も枝などに当たる事もなく威力は弱っていない様です。
ただ、アルニルが向かった方向は威嚇程度でよいと言っていましたが
強い光が発せられたという事は、それなりの威力はあるようですね。
そして、アルニルは光が発した木へ素早く走っていきます。
一方、左側は右側に比べ明らかに強力な雷撃が放たれています。
放たれた雷撃もまっすぐ進みますが、枝を折り、一部の木を倒していくほどでした。
そして、こちらも山賊が隠れている木の上に命中をしますが、威力が強すぎたのか
木から火が上がっています。
「あれ、威力が強すぎたか。これぐらいじゃすぐ消せるけど」
火が上がりましたが、トリシャ様は再び魔法を詠唱すると燃えている部分に水が放たれ火はすぐに消されました。
「おいおい、エルフの魔法使いさん、木が燃えるとは威力が強すぎだよ」
「そうだけど、これぐらいしないと仕留められないよ」
「そうだが、燃え広がったらやばいだろ」
「でも、火はちゃんと消した。それに、多少ずらしたら山賊には直撃はしてないお、多分」
「そうだけど……」
「それより、山賊の様子をみてきてよ。後ろからもきてるから」
「わかりました。エモリー、手伝ってくれ」
「そうだな、騎士様1人では不安だからな」
「こっちの防御魔法は解除しても大丈夫そうだから解除するよ」
防御魔法が解除されましたが、アランとエモリーが雷撃を放たれた方へ行きましたが
どうやら前方の山賊は倒したようです。
ただ、後ろのにまだ山賊がいますので、こちらもなんとかしないとなりませんね。
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