第21話 湯上り後の雑談
「ふう、いいお湯だったよ~」
温泉から出ましたが、トリシャ様はわたしたちの倍以上の時間温泉に浸かっていました。
「トリシャ、よくこんな長く入っていられたね」
「温泉と言うのは、長く入るものだよ」
「いやいや、引き湯とはいえ熱い湯だったよ」
「そうですよ、わたしはあまり浸かっていられませんでした」
レンゼ山の温泉街から温泉を引いていますが、距離がありますが冬で冷めない温度泉なのでこの季節は熱いです。
入れる温度でありますが、普段はぬるめの湯に入浴しますのでわたしもアルニルも熱いです。
「普段、ぬるい湯につかってるからだよ」
「それは否定しなけど、トリシャは以前ももっと熱い温泉に入ってたよね」
「ああ、そんなこともあったよね。どこだったかな」
「はっきり覚ええないけど、熱い温泉はグララグ辺りかな」
わたしも記憶たどりますが、確かにグララグにも行ってますが、ここも魔王の城の方向ではありませんが。
何故、行ったのかも記憶をたどりましたが……単に、トリシャ様が行きたいからでした。
「トリシャ様が単に行きたかったんですね」
「え、そうだっけ?確か、何かの魔法を探しに行ったような」
「トリシャって自分に都合が悪い事は改変されるんだね。
フローラ様が言うとおり、トリシャのわがままで行っただけだよ」
「……何の事かな」
トリシャ様はとぼけますが、グララグにどうしても行きたいと子供の様に駄々をこねたので仕方なく行きました。
多分、トリシャ様もわかっていますが、恥ずかしいのとぼけているのでしょう。
「それはともかく、騎士くんが寂しがってるから、騎士君の所へいからいかいにいこうよ」
「そうだね、アランの所行きましょ」
「アルニル、もう名前呼びなんて早くないかな?」
「初めての実戦であそこまで戦えたし、腕前はいいのに肝心な所でダメと聞いたけどそんな事なかったしね」
「アルニルは意外とちょろいんだね」
「うるさいな。それに、エモリーが馬車に近づかない様にした時、勝てない相手と
わかってるのにフローラ様に忠義を尽くしたからだよ」
「ふーん、やっぱりちょろいね」
「いいでしょ……別に……」
アルニルは頬を染めていますが、アランの事を完全に認めたようですね。
「トリシャがアランを認めなるのはいつになるかな」
「少なくとも、この旅の最中では認めないかな」
「ファーガスをすぐに認めなかったしね」
「ファーガスを本当の勇者って思わなかっただけだよ」
トリシャ様がファーガスを本当の勇者と認めなかったそうですが
ファーガスがトリシャ様と初めて出会った時を思い出しますが……
トリシャ様の住む家にノックもせずに入ってたら、トリシャ様が水浴び中でした。
それを見てファーガスが言った言葉は『子供の裸を見ても何ともないぜ』でしたが
それを聞いたトリシャ様は、問答無用で火の玉を投げつけてきましたのでありました。
確かに、初めの出会いがこれでは勇者とは思えないですね。
アンディとダニエルも一緒に居ましたが、ファーガスがどんどん行くので止める暇もありませんでした。
「初対面がこれでは……信用しませんね……」
「姫様にあれを思い出させて、なんか悪いね」
「いえ、あれはファーガスが悪いですから」
「だね。アンディとダニエルに説得されてついて行ったけど、魔族を倒すまでは信用しなかったよ」
アンディとダニエルが説得して、トリシャ様がパーティーに加わりましたが
女性はトリシャ様だけでしたし、最初があれでしたのでかなり距離を取っていました。
トリシャ様が認めたのは、灰の谷にいた魔族通称「グラォタル」を倒したからです。
灰色の谷は岩の色が灰色のためこう呼ばれていますが、エルフの森に時折出没し
エルフに直接危害は与えませんが、出現することより森の動物や植物などの食料が
失わてしまうため、困っていたそうです。
灰色の谷はエルフの森から人間の足では険しい山道を歩いて2週間もかかります。
その間、人はもちろん、エルフも居ない場所です。
灰色の谷と呼ばれているので、辿り着いた人がいるという事ですが
場所は知られていても、なかなか辿り着けな場所でした。
場所からして討伐しなくても人間には影響がありませんでしたが
エルフの長に頼まれたため、トリシャ様も一緒に討伐に行きました。
しかし、灰色の谷に辿り着いたのは2週間どころか道に迷うなどして1か月もかかりました。
食料と水は何とかなりましたが、着いた頃には疲労困憊。
そんな状態で魔族と戦い、かなり苦戦しましたが無事に討伐できました。
これを見てトリシャ様もファーガスを勇者と認めたそうです。
「灰色の谷はとても大変だったのですね」
「あれは大変だったよ」
「今思うと、あの状態で戦ってよく勝てたと思います」
「ファーガスもわたしもギリギリでしたし、ダニエルの魔力もほぼ尽きるましたからね」
「だから、ダニエルが回復するまでまったから帰るのにさらに時間がかかったよね」
倒した後も大変で、エルフの森まで戻るにしても怪我と疲労で全く歩けず
道中は魔素の濃い所がありあましたが、その近くには温泉も湧いていました。
ただ、その温泉は魔素が濃すぎて危険なため、入る事は出来ませんでしたが。
「あの温泉の近くはちょっとやばかったね」
「ええ、意識が朦朧といしてましたね。下手したら、あそこで勇者パーティーが全滅したかも」
全員ギリギリの状態でしたので、温泉の近くの魔素で全員やらてしまう所でした。
ただ、何とか気力を振り絞り何とか安全な所まで行き、洞穴がありましたのでそこで数日すごしました。
その洞穴の近くには薬草もあり、回復する事が出来ましたので無事にエルフの森に戻りました。
「今となったら、懐かしい話だよ。でも、騎士くんを認めるのは別の話だよ」
「トリシャがアランを認める事はありますかね」
「それはトリシャ様しかわかりません。ただ、アランはこの旅だけかもしれません」
アランはあくまでも今回の旅の護衛なので、魔王の元に同行するとは限りません。
「その時はその時だよ」
「そうですかね」
「今回の旅だけでも、任務をこなせば評価が上がるからアランに損はありませんよ」
「確かにそうですね」
わたしの護衛を成功させれば、アランの評価につながりますからね。
トリシャ様の評価があればもっと良いのですが、決して損はありません。
「そういえば、騎士くんは何をしてるんだろうね」
「1人寂しくしていますよ」
「なら、からいかいに行こうか」
「それもいいけど、食事にしましょう」
「そうだね。だったら、騎士くんを呼びにいかないと」
トリシャ様はアランを呼びに行くおっしゃり、部屋を出ようとしましたが
それと同時にドアがノックされましたが、ノックの主はアランでありました。
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