駄作

読みかけの短編集から栞を抜き取って寝転ぶ。かび臭い和室の匂い。水無月上旬の午後。薄明かりの四畳半。雨音と時計の針の音。染みだらけの天井。短編は駄作ばかりだったけど四度読み返した。髪の毛が顔に張りつく。なにも面白くない。私の世界は駄作だ。悲観的ではなくて現実的で。今日も救いはない。

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