焦熱の荒れ地
第八話ユニークモンスター遭遇する
俺はごろーの背中に乗りながら、月光の首飾りをながめる。
首飾りにはよわ──あまり強くないものが多くあまり期待していなかったのだが、これは思わぬ収穫だった。
そして第一階層を速攻で走り抜け(ごろーが)、魔物をなぎ倒し(ごろーが)、ほとんど無双状態(ごろーが)の中何度も月光の首飾りを鑑定する。
name月光の首飾り
装飾品 首飾り
MND=INT
魔法耐久✕
なんか増えてね?魔法耐久✕?
魔法耐久✕
魔法を使うたび、確率でこの装備が破壊される。(魔法の威力が大きいほど確率が上がる)
はぁ………!?
このゲーム俺の心を弄んでるだろ。しかも魔法の威力で破壊される確率が上がるとか極大魔法だと一発で壊れそう…
はずすしかないか…
俺は装備欄から月光の首飾りを選択し、インベントリにしまう。
俺は貧乏性なので、一生インベントリの肥やしになりそうだ…
*
しばらくごろーに乗っていると、このダンジョンに入った場所に着いた。
上を見上げると、入ってきた穴が遥か上に見える。
これどうやって登るんだ…?
本当にここが死の王を封印しているのならここを登るときにもトラップや魔物が襲ってきそうだ…
でもここは隠しダンジョンだ。なにかギミックがあり、登れるようになっている運営の手心があるはずだ!あるはずだ…
1時間後…
見つからん…
何にもない…
おい運営!どうなっているんだ!
ここ登れないぞ!バグか?!バグなのか?!
ごろーもしばらくはギミックを探している俺を見ていたが、興味を失ったのか手前で昼寝している。
その後もしばらくギミックいやゴミックを探し続けたが、一向に見つかる気配がない。
あぁ…!もうキレた!
こうなったらゴリ押しで登ってやる!
そして俺はロッククライミングの要領でほぼ垂直の壁を登りはじめた。
出っ張っている壁を掴み、また手を伸ばし、どんどん上へと登っていく。(まだ5m)
はぁ…はぁ…何でゲームなのに体力なんて隠しステがあるんだ。そことこのダンジョンだけがこのゲームの欠点だ…あぁ…STR…STRが足りない…
大体、10mぐらいの高さの出っ張りに手をかけた時に突然壁が光りだした。
すると、お腹のあたりの壁が伸び、丁度溝にクリーンヒット!!骸ノ宵に5のダメージ!!
落ちる!落ちるって!絶対落ちたら落下ダメでHP全損する!!
しかし現実は無常で地面が近づき、地面に衝突…衝と───だがいつまで待ったとしても衝撃が来ることはなく、代わりに急に上に持ち上げられる。
俺を前足で器用に掴んでいるごろーと目が合う。
あっ…ごろーさんいつもご贔屓にしていだだきありがとうございます……
ごろーさんに背中に乗せられた。
そしてごろーは壁キックの要領で一瞬で上へと登っていく。
途中でトラップや魔物が襲ってきたがごろーはそんな者は蹴散らし破壊し上へとたどり着いた。
そして薄暗い洞窟の入口みたいなところにでた。
ごろーよ…そんな事ができるのならはじめからやって欲しい。
このゲーム、STRが低いと筋肉痛っていう状態異常になって動きが鈍くなってしまうから。いや元から動き鈍かったわ。
しかし、ダンジョンに引き釣りこまれる前は入口はむき出しだったはずだが…?
まぁそんなことは気にせずに、一刻も早くこの洞窟から出よう。
そして俺は外の世界へ足を踏み出し──あっつぅ!!
まっずいわこれ…どんどんステータスとHPが減少してる……
たしか…視界を遮ったりできる霧や墓場フィールドに蔓延している瘴気には死霊系の魔物のステータスダウンをほとんど無くす効果があったはず…
[瘴気発生…]
体から瘴気を出しまくり、自分の周りにまとわりつくように瘴気を操る。
ふぅ…これで少しは楽になった…
日光を眩しく思いながら、視界を前に向けると防具に身を包んだ4人の冒険者…プレイヤーと目があった。(ちなみにごろーは洞窟から出てきていない)
「なんかあそこの洞窟から黒いのが出てきたぞ…」
「たしかに何かいるけど、そんなものは無視して、私達の目的はもふもふを探すことでしょう」
「そのために来たのは確かだが、あんな魔物は見たことがない。新種かもしれない魔物は掲示板にSSとどんなことをしてきたか報告しないと」
俺はもうそんなにプレイヤーに見えない見た目をしているのだろうか…?
仮面のスキルか…
「流石にここにいる魔物には負けないとは思うが、一応気を抜くなよ」
「了解」
「んなこたわかってるよ!」
いや俺はプレイヤーで…声出せなかったんだった。
[タウント!]
いや俺魔物じゃないから…ヘイトスキルとか効かないから。
仕方ない付き合ってやるか…
[睡魔生成…]あれ?発動しない…スキル名変わってる!
[睡魔領域]
睡魔領域
睡魔状態にかかる領域を展開する。
範囲はMNDにより広くなる。
日光の効果を少し和らげる。
「チッ!こいつ状態異常使ってくる魔物かよ!めんどいなぁ!」
「各自状態異常になったものは一度下がり、状態異常を直せ!」
「ふぁ…眠っ…」
一人お気楽なやつがいるが…こいつ等かなり強いな舐めてかかると、キャラロストしそうだ。
「先手必勝!ジャイアントスイング!」
ハンマーを持っているやつが俺めがけて向かってくる。
一応物理攻撃は無効だが、そのことを掲示板に書き込まれると後々プレイヤーと戦う時にこちらが不利になってしまう。
さっさとかたをつける必要がありそうだ。
[浮遊─MP消費]
俺はハンマーを持っているやつの後ろに一瞬で回り込み鎌で首を狙う
[モフり隊三号に固定ダメージ1000のダメージ!連続ヒット!5000のダメージ!生命吸収により100HPが増加します]
攻撃を終えると、続けざまに近くにいた杖を持っているやつの首を狙う
[モフり隊四号に固定ダメージ1000のダメージ!連続ヒット!5000のダメージ![処刑執行]が発動!999999のダメージ!モフり隊四号が即死しました。生命吸収により20HPが増加します]
おっと…なんとか四号ってやつはHPが低かったみたいだな。処刑執行が発動して即死してしまった。
「四号がやられたか…おい三号!HPは大丈夫か?」
「一気に5分の1削られた!二号しか耐えれなさそうだ!ガハハハ!」
「笑ってる場合じゃないでしょ」
仲間がやられたというのにお気楽な奴らだ。一人パーティーがかけると決壊するというのに…これだから上位勢は…
「パワーショット…ふわぁ…」
弓を持ったやつが、言い方に反した威力の矢を射る
こいつは要注意だな…
そいつが射った矢を鎌で叩き切り、そいつにMPを消費して近づく。
が盾持ちのおそらく二号というやつに防がれる。
「おいなに油断してるんだ…一号」
「ごめんねぇ」
こいつがいると完全に鎌による攻撃を無効化されてしまう。こいつから片付けるべきか…
「よそ見してるんじゃねぇ!グラビティアタック!」
ハンマーを持っているやつ…三号が重力が増大したハンマーを振り下ろしてくる。
こいつにやらせるか…
見るからにMNDが低そうだ。
[精神支配]
「うっ…こいつ精神魔法持ちだぞ!」
「まじかよ…魔物の精神魔法持ちはだるいって…」
[完全支配]
「うっ…ヴヴゥ…」
「あいつ少しはMNDにふれよ…ここのリッチとか精神魔法持ちいるだろ…」
「やるしかないねぇ…チャージ…」
取り敢えずしばらくあいつにあいつらの相手をしててもらう。
その内こちらは極大魔法の準備を始める。もちろん月光の首飾りはつけずに
「おいあいつ!極大魔法の準備してるって…!なんでここら辺の魔物が極大魔法を…!てかまじで邪魔すぎるこいつ」
「ヴヴゥ…」
「ブレイクショット…!」
一号とかいうやつが、矢をまた射ってきた。しかも極大魔法の準備が阻害される破壊属性付きチャージも使ってやがる。
まぁ遅いのでこっちに三号をこちらに寄せて盾にする。
これで三号のHPが全損したようで光になって消失する。
「まずい来るぞ…一号俺の後ろに、守護の構え!」
「これはまずいぇ…」
極大魔法のチャージがたまりきったので、手を前に差し出し呪文を唱える。
[深淵より来たるは黒、生さえも喰らう虚無となりし闇ここに顕現せよ!闇極大魔法!新月!]
俺の手から放たれた闇が、二人を覆ってあたりを闇に染める。そして死の光が降り注ぐ…!
「がはぁっ!!」
「ふぐっ…!」
[モフり隊一号、モフり隊二号に1、1、1、1、1、1……のダメージ!固定ダメージ!1000、1000、1000、1000、1000……のダメージ!モフり隊一号、モフり隊二号を倒しました。生命吸収により500、50HPが増加します。戦闘を終了します」
ふぅ…なんとかなったぜ…!
流石極大魔法だぜ!ヒット数が多い!ダメージは知らん!
ちなみにPVPでは経験値は入らないが…
[戦利品として、魔導書白(結界魔術)、回避術(パリィ)、戦術(ハイドスラッシュ)を獲得しました。」
スキルを獲得することができる。本を全部読まないといけないため今日からの夜は読書三昧になりそうだ。
あいつら絶対掲示板に書き込むよなぁ…そしたら上位勢の中の上位勢がやってきて…あぁキャラロストの未来が見える…
取り敢えずサーデムまで戻るか…
俺は偽装面に人に化けるスキルがつくことを願いながら荒れ地を歩き始めた。
*
あと主人公ステータスにごろーのステータスも書いておいたほうがいいでしょうか?
あとPVが1000を超えました。フォローも最近増えてきているのでできれば、★と♡の方もよろしくお願いします。
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