第5話 ガールズ・ライフ 2

 今日は爆破予告である。生徒は下校、部活は全部に休止命令が下りていた。


 爆破予告が怖くて部活を休止できるかとバニーガール部は平常活動しています。


 すると……。


 教頭先生に一年の学年主任が部室に入ってくるのです。


「爆破予告が出ても活動している部活はここだけだ。大人しく自首すれば停学だけで済まそう」


 要は私達が犯人だと言いたいのだ。ホント嫌な時代だ。簡単なメール一つで校内が緊急事態になるのだ。


「NO,NO!!!私達は無実です」


 テラさんが人の姿で弁解します。


「警察ザタになれば捕まるぞ、それでも認めないのか?」

「はい」


 部長の麗奈さんがきっぱりと言うと。


「なら、部活動を休止して自宅に帰れ」


 私達は渋々、帰ることになりました。


「おのれ犯人!私の有意義な時間を奪いよって」


 麗奈さんがブツブツ言いながら帰宅準備を始めます。


「ところで、お前ら、バチカンに知り合いは居るか?」


 教頭先生が問うてきます。どうやらバチカンのサーバーを経由して送られてきたらしいのです。


 ああああ、聖ミリオン高校のバニーガール部に違いない。私達は証拠が無いので黙っておきます。


「先生方、今回の爆破予告は子供のいたずらです。どうか警察ザタだけは止めて下さい」

「そうか……?実際に爆破予告の時間は過ぎているからな」


 何故に、あの餓鬼バニーガール部にかんだいな処置をお願いせねばならないのだ。私達は不満タラタラで帰宅をします。


「ところで、私達はバニーガール姿から制服に着替えます。そこに二人で突っ立っていると困ります。セクハラで訴えますよ」

「ひいいいい」


 教頭先生と一年の学年主任は逃げ帰って行きます。


 ホント、何だかなぁの時代です。


***


 その昔、神々の戦いがあった。神々はバニーガール派とメイド服派に分かれて、壮絶な戦いを繰り広げた。勝敗は最後の使者であるエリーが身にまとった伝説のバニーガールスーツで決まった。


 エリーはそのバニーガールの姿で人々の願いをかなえて、メイド服派を破ったのだ。


 その後、エリーはJKをもう一度やりたいのと言葉を残してとある学園に消えていった。


 それが青空北高であった。


 これは最後の使者エリーのバニーガールスーツと、神々の戦いの伝説である。


―――……。


「何、これ???」

「神々のバニーガールとメイド服の伝説の戦い」


 ああああ、聞いてもいないのに、突然、語り出すから壊れたかと思った。


「と、言う訳で今日は伝説のバニーガールスーツを探すのです」


 部長の麗奈さんが支持を出すと校内の各所を探す事になる。


「職員室の奥にあるロッカールームが怪しいです」

「おお、流石、テラさんだ。早速、現場に急行だ」


 私とバニーガール部のメンバーで職員室を訪れる。


「どうした?アホガール部」

「バニーガール部です」


 皆が対応した女性教諭に抗議する。流石にバニーガールの恰好で職員室は不味いか……。


「奥のロッカールームに行きたい?ダメだ、ダメだ!」


 ま、普通はそうだろうな。


「ここは戦略的撤退だ」


 逃げる様に聞こえるが、本当に戦略が無いのだ。そして、バニーガール部に戻って来ると。


「いやー有意義な活動であった」


 麗奈さんは疲れた様子でまったりし始める。皆は呆れた事もなく同じ様にまったりする。


 私は、ホント、この部活らしいなと思うのであった。


***


 日曜日です。バニーガール部のメンバーと一緒に買物です。駅前のデパートで洋服を買う為に集まったのはいいが、麗奈さんだけ制服姿であった。


「どうした?リーダー?」

「ごめんなさい、ごめんなさい、生きていいて、ごめんなさい」


 私の問いに麗奈さんは青い顔をした様子で謝り出す。


 あああああ、麗奈さんは重度の自虐モードだ。


「面倒臭いので置いて行こうぜ」


 テラさんが厳しい事を言う。皆もまた同意見の様だ。


 しかし、それでは可哀そうだ。学外でバニーガール姿では不味いし。


 何やら学内ならバニーガールの姿でもOKの様な言い方だがそこは深く考えないでおこう。


 せめて、その制服姿を何とかせねば。私はデパートで白のワンピース姿にコーディネートをする。


「この恰好は死亡フラグが立った少女でない?」

「えぇい、贅沢を言うな!」


 普段から着ている赤のバニーガールスーツにはほど遠いので無理もないか。


 ここは主役の衣装だと言ってみる事にした。


「ふおおおお、当然の結果よね」


 あ!スイッチが入った。ホント、この二重人格はどうしたモノかと考えるのであった。

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