第9話 襲撃

救急車の後部から乗り込んだら、病院職員と思われる女性と男性看護師?から白衣とヘルメットとマスクを渡され、


「お二人とも何も聞かずにこれを羽織ってメットとマスクも着用してから外に出て、後ろの乗用車の後部座席に乗ってください。」


陽菜と顔を見合わせてから、何も聞かずに指示通りにしてシートに腰掛けてからシートベルトを着用。

走り出してから、運転している『鈴爺さん』に聞いてみる。


「鈴さん、何かあるんですか?」


陽菜の専属運転手でもある、少し前までは専属護衛だった鈴爺さん。

信用できる、数少ない『身内』だな。


「当主様からのご指示です。『用心』するようにと。」


用心ねえ?あの爺さんの情報網は、馬鹿にできないからな。

強姦魔達の『関係者』が何か仕掛けてくるのかな?


「じゃ、救急車に乗っているのは?」


「全員、当家腕利きのスタッフです。」


言ってるそばから、乱暴な動きをするダンプカーが俺たちの車の前に割り込んできて、前方からは信号無視のダンプカーが猛スピードで突っ込んで来て。


鈴爺さんがスピードを落として前方のダンプカーから距離を取り、救急車は何の躊躇いもなく路外の畑へ飛び出したところで2台のダンプカーは正面衝突して爆発炎上した。


何か可燃物でも積んでたのかな?あ〜あ、あれじゃぁ、誰も助からないよな?

救急車をサンドイッチにしたら、犯人は飛び降りるつもりだったんだろうね。

正面衝突した衝撃で、脱出出来なかったんだろうな。


鈴爺さんが、のんびりとした感じの落ち着いた声で、


「お二人とも、外を見ないでください。お顔を見られないようにして。」


路外に飛び出した救急車は、そのまま何事も無かったかのように炎上しているダンプカーの前に戻り、目的地に向かって走り始めた。


俺たちの車が炎上するダンプカーの脇をすり抜ける時に、ガラスの割れた運転席から燃え盛る手を振る人影が見えたような気がした。


まあ、気のせいだよね!


「陽菜、お前、怖くないのか?」


「ん、何がかな?」


「今日の事、全部。」


「怖くなんか、ないよ?何があっても、陽向が守ってくれるんでしょう?」


「……………………………ああ、任せろ。」


あ〜、ヤッパリ、コイツにはかなわないな。

一生、『調教』されるのかな?





作者より


本日、週間ランキング90位まで上がりました!

二桁順位は、初めてです。


うっ、嬉しいっ!


皆様、有難うございます。


他にも投稿してますので、よろしかったら試し読みしてみてください。





追記


今週中にもう一話投稿して、書き貯めが尽きたので不定期更新になります。

その後から、やっとですがラブコメモードに入りたいと思います。


作者より 追記の追記


職場が突然の企業買収により、修羅場となっております。

明日以降の更新が、毎日は厳しいかもしれません。

気長にお待ちいただくよう、お願いします。

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