第3話 追いかけて
「えっ・・・?」
僕は聞き返した。
「本当ですよ・・・」
男は笑みを浮かべて答えた。
「貴方の奥様は・・・」
男の説明によると、妻は時空を飛んだらしい。
「それにしても、よりによって・・・」
戸惑う僕に男は淡々と言葉を返す。
「一番、辛い時代にと、いう御希望でしたから」
その表情は僕に全ての罪があると物語っている。
「どうしますか・・・?」
男の問いに僕は躊躇いもせずに答えた。
「もちろん・・・」
握りしめた右手の指をギュッとして。
「追いかけますよ・・・」
言った瞬間、分かったのです。
僕は。
妻を愛していると。
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