第24話 切迫した不安
対象が明確であれば対処のしようがある。仕事なら確かにそうだ。しかしこれが人となるとそうはいかない。あれこれ対処法を考えるのは無駄だ。人を変えることはできないからだ。肉親となれば一層困難に陥る。ぼんやりした不安が自らの生命を絶つ動機となるのは、対処のしようがないからだ。切迫した不安は現実化するのをじっと待つほかない。他者の生命を絶つ行為に出る思いつきもあるかもしれない。本末転倒の愚行であることすら分からなくなっているのだろう。
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