第21話「終点はすぐそこ」

 ……それから、デザイアの収集は問題なく進んだ。施設の内情を知る手段があるらしいケレスの案内により、私への物理的対策やセキュリティのほとんどが無力化されたから。


「ねぇ、そろそろ信用してくれてもいいじゃない」

「……ケレス。あなたはまだ、あちら側の人間じゃないって証明してくれてないでしょう?」

「それもそうねぇ」


『本当に掴みどころがない奴だな』

『クレイドル、メインプランの座標が分かったら、この人どうするの?』

『……割とどうしようもない。コイツの目的もメインプランなら、恐らくは俺たちが現世からデザイアの世界へのアクセスポイントを創ったことぐらいは補足されそうだしな。いざとなったら……』

『そうならないことを祈ろう』


 メインプランの座標は、もう特定寸前のところまで来ていた。

 もう一度列車が停まれば、そこが最後の襲撃目標となる。


 メインプラン。あなたは何を想って、世界を救おうとしているのか。

 たった独りで世界を救えるというのに、どうして私のような人物を探し出す『実験』に協力しているのか。


 ―――その矛盾への答えは、私にはなんとなく分かってしまって。

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