ヒタリスト

ライトニング

EPILOGUE…下準備

 かっこいい。ただそう思った。


 具体的に何がきっかけだったのかは覚えていない。


 ヒーロー、スポーツ選手、音楽家、芸術家、料理人、俳優、アイドル、色々あるけど、ぶっちゃけ、きっかけ何て何でもいい。


 きっかけが何であろうと思い出せないってことは、僕にとってそこまで重要では無いという事なのだから。


 ただ、僕にとってその気持ちは成長するにすれ、心の中で消えることなく、むしろ燃え上がっていった。


 大抵の人が幼い頃に夢や理想を抱き、夢半ばで挫折し、諦め、そして忘れていく。


 もちろん、そうでない人もいる。果てしない努力の末、夢を叶える。それはとても素晴らしい事だと思う。けど、僕にとってそれは妥協にすぎない。


 夢と理想は違う。夢とは叶えるもの、つまり生きる目標だ。生きる目標にする以上、皆必ず多かれ少なかれ妥協しなくてはならない。


 例えば料理人。昔行ったレストランのシェフに憧れて目指したけど、実はただのチェーンテーンで冷凍食品をレンジでチンしてるだけだったり…


 例えば音楽家。テレビ、もしくは実際に見て聴いたピアニストやヴァイオリニスト、はたまたギタリスト。小さい頃輝いて見えた人達が実はただの路上ミュージシャンだったり…


 もちろんこれは極端な話にすぎない。ただ、夢を100%叶えれる人はいないと僕は思う。なぜなら、自分の理想を体現している人などいないのだから。


 理想とは自分の中で美化されていくもの。現実に直面した時、夢を諦めきれない人は自分なりの理想を作り、それを夢として目指す。


 僕にとってそれは妥協だ。


 誰かを理想とするのだから多少認識に差異が生まれるのは仕方が無い。


 僕はそんな妥協を許さない!


 ならばどうする?かんたんだ。


 自分を理想とすればいい。


 自分を理想とし、自分の理想を叶えるために生きればいいのだから。


 だから準備した。自分の理想を叶えるために。


 自分にとって理想を叶えるその最高の瞬間のために。


 努力は惜しまない。一度きりの人生、楽しんで生きないと損だからね。









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