第3話 女神同伴で異世界を征く

「はぁ…はぁ……酷いです京真さん…秘密を喋っただけで殺そうとしてくるなんて…」


「当たり前だ、人の秘密を暴露するなんて外道な行為をしたからには殺されても文句は言えないぞ」


 まあこいつはまだ役に立ちそうなので生かしておくことにした。


 その時、電話の着信音のような音がレガリアスキッズから聞こえてきた。


「あっ…京真さん、失礼ちょっと電話のようです、少し待っててくださいね」


「おう、行ってこい」


 微かに通話が聞こえてきた。


「はいもしもし〜天界庁 異世界転生課所属のレガリアスです〜…えッ…か、課長!?いっ、一体なんの御用で…え?サボってないで早く行ってこい?いや行ってますってドローンで。え、は?クビですって!?天界追放……そ、そんなぁ…まって、課長!?まだ送らないで、待ってくださ……ブツッ」


 話を聞いた限り、あの女神は仕事サボってたのが上司にバレてクビになったらしい、天界追放ってことはここに来るのか。


 その時上空から大声が聞こえた。


 上を見ると凄まじい速度でレガリアスが落下してきていた。


「ああああああああ京真さんんんんん助けてくださいいいいこのままじゃ死んじゃう!地面に叩きつけられて死んじゃいますって!」


 はぁ、しょうがない目の前でグチャグチャになってもこちらの気分が悪くなるだけだ。

 京真は右手に握りしめたベレッタに力をこめる。

 すると頭の中に能力の使い方が流れ込んできた。


「……銃弾換装」


 京真がそう呟くとベレッタの弾倉にゴム弾が装填された。

 それを上空から落下してくるレガリアス目掛けて弾倉が空になるまで撃ち、落下速度を抑える。


「ぐっ!ぎゃう!」


 なにやら痛みに悶える声が聞こえてくるが叩きつけられて死ぬより、これくらいの痛みの方が何倍もマシだろう。


 そうして京真は近くにあった大岩を踏み台にして上空に向けてジャンプする。

 レガリアスは京真の両腕に抱きかかえられた。


「うっ……京真さああああああああん!ありがとうごじゃいますううううううもう死んだかどぉぉおおおおお…」


 地上に降りた途端、京真の膝で泣きじゃくる女神。

 これでも女神かよこいつ。


 ―――――――――――――――――――――


「それでお前は、サボってた事がバレて強制的に異世界に送り込まれて、それで死にそうになったと」


「うん、そうです。当然課長が悪……」


 上司のせいにしようとしたので正論をぶつけることにした。


「いいやお前が悪い、もし極道の世界だったらこの時点でとんでもないヤキを入れられるぞ」


「はい…反省してましゅ……」


 この女神も多少痛い目を見たので大丈夫だろう。

「それより、これから俺はどうすればいいんだ?」


「ああ、それならまず大きな町に行きましょう、この草原を抜けたら辺境の町ルイスガルというところがありますんで」


 この女神、ナビゲートは優秀らしい。

 まあ存分に利用させてもらうことにしよう。

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