ヒメゴト
寝坊助な彼が「おはよう」と言う。
まだ仄暗い午前5時。
「眠れなかった」
そう言う彼は目に涙を溜めていた。
今日は三年前に死んだ友人の命日らしい。
私も死ねば、眠れなくなってしまうくらいに想ってもらえるだろうか。
取り留めもないことを胸に秘めている。私は自分が恐ろしい。
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