ヒトリ

 姉貴に彼氏ができたのと同時に俺はヒトリになった。


 姉貴の朝飯が甘みの芳るごはんから味気のないパンに変わった。


 艶のある黒髪は、趣のない茶髪になった。


 二人で向かい合って夕食を食べることはなくなり、箸が椀を掻く音だけが響く。


 広すぎる部屋で、今日も、ヒトリ。

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