第32話 性要素有り 犬好きの方注意
冷静さを取り戻した
男達の首が床に落ちる。腰はまだ動き続けている。女の上に血か落ち、顔を赤黒く染めてゆく。それを気にもせずに女は
男達の身体が動きを失い徐々に倒れ、女に覆い被さる。
部屋の半分は男達の血で染められていた。
「
身体はふるふると震えている。身体から微かに
「薬にやられたか……」
それに世話になった人だ。斬りたくはない。
赤い液体が入った筒と透明な液体が入った筒、そして配合の割合を記した本がいくつかある。
そして、
そのまま担ぎ、倉の外に出た。
(!)
(まずい!)
追っ手が現れるのは時間の問題だ。すぐに門の近くまで来た。
見張りは二人。
(犬か!)
人には聞こえない音で犬を呼ぶための笛だ。しかし、めったにお目にかかれるものでは無い。
前に大型の犬が二匹、後ろに門番が二人。
すかさず、首を腕で抱き込み、後ろへ捻り上げる。骨が軋み、不気味な音を立ててへし折れた。もう一匹の犬は多少距離を取り、いつでも動けるように後ろ足に力を入れている。
同時に動いた。
犬は低姿勢で突っ込んで来る。
気がついた門番が、声を上げる瞬間、
それは門番の一人にあたり、血で濡らしてゆく。
微かな悲鳴が上がった。
呆然としているもう一人に肉薄すると、顎を掴み、腰に下がった
不気味な音が響き、口から鞘を生やした門番は気を失った。
犬を投げつけられた門番は、まだ犬の死骸と格闘していた。そこに
そして、そのまま、闇の中へ消えていった。
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