セミ

顔も知らない母を思って

セミは独り鳴くのです


土の中はあたたかかった

外は寒くてたまらない


木は母のようで あたたかい

六つの手足でしがみつく


ぼくがこの地に生まれた意味は

どこに向かって生きていくのか


いく年も根を張る木

君だって生きられると

じんわり じんわり

熱をくれる


あなたのように生きられるかな


ひとつかみの希望を胸に

セミは今日も鳴くのです

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