第4話 戸惑い
「えーっと、これはというと。」
頬を指で掻きながら、こたつ台を三人で囲う。
あかねとこはるは、不機嫌そうに、まだかと僕の答えを待つ。
なんで、こうなったんだろう?
「今日、僕もこはるが、ここに来たのを初めて知ったんだ。
こはるは、僕の従兄妹で、あかねは、僕の幼馴染。」
「誠一兄と美野あかねが、誠一兄と幼馴染なのは知ってる!だって、隣の住人だし、小さい頃から誠一兄といたから。」
こはるが、むすっとする。
そして、あかねの方を向き。
「誠一兄に本性丸出しで、色仕掛けするなんて変態‼︎」
「こはる!少し、落ち着こう!」
すると、あかねは、ふぅとため息を吐く。
「そういう事。よく分かった。」
あかねは、何かを理解したようだが、僕には何か分からない。
「そっ、そういう事だから、二人とも仲良く、、、。」
「絶対に無理‼︎」
二人とも同時に同じ事を言う。
「まぁ、色仕掛けしたところで、恥ずかしがり屋の誠一兄には無意味なんだから。汚らわしい!」
「色仕掛けっていうけど、本当の私を理解してくれる誠一だからこそ、本性を出してるだけだから。おチビさん。」
あかねは、大きな胸を見せつけるように、こはるのまな板の胸を見る。
こいつ、ムカつく‼︎っていうように、二人の間には常に火花が飛び交っているかのように見える。
どうしたらいいやら。
気まずい沈黙の中。
僕は、考えに考えた結果。
「とりあえず、今から、魔法少女みこりんのアニメが始まるから、みんなで観ない?」
「誠一のバカー‼︎」
親交のつもりで言ったのだが、逆効果で、二人から怒りの平手打ちを受けた。
「本当に鈍感なんだから!」
「そうよ!誠一兄の頭の中は魔法少女みこりんでいっぱいだから、髪型とか真似して頑張ってるのに全然気付いてないんだから!」
覚悟しなさいと二人が迫ってくる。
「待って!なんで、僕なの?あかね。こはる!」
その後、外にまで響くぐらいに僕の悲鳴は響き渡った。
新規登録で充実の読書を
- マイページ
- 読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
- 小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
- フォローしたユーザーの活動を追える
- 通知
- 小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
- 閲覧履歴
- 以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
アカウントをお持ちの方はログイン
ビューワー設定
文字サイズ
背景色
フォント
組み方向
機能をオンにすると、画面の下部をタップする度に自動的にスクロールして読み進められます。
応援すると応援コメントも書けます