第166話
シュバルツが1人でオーク村を周回していたことはパーティーメンバーにあっさりバレた。
とはいえ、これでパーティーメンバー全員がホーリーアローを覚えた。
最低限の光属性魔法を覚えたシュバルツ達は現実世界では不死者の迷宮を中心に回ることにした。
これは、女性陣の苦手意識を改善する目的もある。
何度も通った効果はあり魔石を取り出すのはまだ抵抗があるようだが、普通に攻撃はできるようになった。
大きな一歩だ。
不死者の迷宮では魔石ぐらいしか収入が得られないがシュバルツ達はお金に困っているわけではない。
冒険者組合としては不人気の迷宮に自ら潜ってくれることで大いに助けられていた。
元々、不死者の迷宮がスタンピードを起こしかけていたのは不人気すぎて中の魔物が処理されなかったからだ。
若手の冒険者も育ってきているため、解体所の職員も忙しそうに働いている。
あれから各地に伝書鳩を飛ばしたがアスタロトの足取りはつかめていない。
クロの話では力を蓄えているのだろうとのことだった。
シュタイナーもしばらく滞在していたが、いつまでも公都から離れているわけにもいかないと戻っていった。
今はとにかく、力をつけるべきだ。
現実世界の迷宮に潜り、異空間での修業も続ける。
異空間の滞在日数が増加傾向にあるが、これは全員が危機感を覚えたことによる。
1つ問題があるとすれば剣喰らいの聖剣が剣を食わせろとアイテムボックス越しに訴えてくることだろうか。
剣を何本も打ち食わせたのだがアスタロト戦で消耗したのかどれだけ剣を食わせても満足してくれない。
無名の鍛冶からは今の材料では剣の質をあげるのは難しいと言われている。
なので、現在は鉱山のランクを上げるべく恩恵ポイントを貯めているところだ。
絶対に剣を食わせる時以外はアイテムボックスから出すなと警告を受けている。
対悪魔に絶大な切り札であると同時に行動を制限するまさに呪いの剣であった。
現実世界ではそろそろ冬に入る頃だ。
リリアーヌは元気に成長しており天使のような存在だ。
それは女性陣も変わりないようで、コボルトの毛皮製の服をプレゼントしていた。
そんな中、兄妹から手紙が届いた。
しばらくしたら遊びに行く。
そんな簡潔な言葉が書かれていた。
シュバルツとしては直接会うのは久しぶりだ。
歓迎の為に色々準備をする必要があるだろう。
オグワールも楽しみにしているようで色々動いているようだ。
それは母親であるマリアンヌも同じようであった。
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