第137話

身を清めてからシュバルツ達は改めてサイファーと話し合う。


「それにしてもずいぶん、時間がかかったな」


「8層もありましたからね」


「シュバルツ様がいなければ達成は不可能だったでしょう」


「そうそう。4層まではいいけどそれ以降はね・・・」


女性陣はアンデッドとあの汚物であるキングヘドロスライムを思い出したのか嫌そうな顔をしている。


「回収した物資はどうしますか?」


「出来る限り買い取ろう」


場所を倉庫に移動してシュバルツは次々に狩ってきたスライムとコバットにオークとリザードマンを出していく。


あまり偏らないように全種類を均等にする。


余裕そうな顔をしていたサイファーの顔がだんだん青くなっていく。


「ちょっと待ってくれ・・・」


サイファーの静止の声でシュバルツは一度、作業を中断する。


「まだまだありますけど?」


「2か月でこれだけの量を狩ってくるとは思ってなかった。すまんが金にあまり余裕がなくてな。割符での支払いでもいいだろうか?」


「構いませんよ」


サイファーは迷宮都市アリスでも有名な商会の割符を渡してくれた。


「残りの素材はどうします?」


「金を工面するから数日あけてもらってもいいだろうか?」


「わかりました」


サイファーは控えていた配下に分配の指示を出す。


「さて、シュバルツ達はどうする?」


「そうですね・・・。時間もありますし街の探索でもしてますね」


「本当なら付き合いたいところだが仕事が溜まっててな。護衛を手配しよう」


「ありがとうございます」








シュバルツ達は護衛を伴って街に繰り出した。


街の雰囲気は思っていたより悪くない。


多くの民にとっては支配する人が変わってもちゃんと統治してくれるなら関係ないのだろう。


休憩を挟みつつとはいえ、女性陣はストレスを感じていたか、ストレスを発散するように楽しそうにショッピングを楽しんでいる。


上客と判断されたのか店員は丁寧に対応してくれる。


女性陣は色々買い込み、シュバルツは買った物を一時的に預かる。


護衛の騎士達は若干引き気味である。


シュバルツとしてもその気持ちはわかるが女性陣を止める勇気はなかった。


下手に突っ込んであのテンションの中に引きずり込まれてはたまらない。


女性陣が満足するまで待つしかなかった。


お昼となり、護衛の騎士達がいかにも高そうなレストランに案内してくれた。


代金はサイファー持ちとのことで思う存分に料理を楽しませてもらった。

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