第123話
無名の鍛冶は魔法石をとりセットして型のような物を起動させる。
魔法石は姿を崩して型の中に入っていく。
かなりの数の魔法石が消費されたが魔法石は宝石のような形になっていた。
「これは・・・。純度を引き上げたのですか?」
「これぐらいの純度でなければ使えないからな。お前達もやってみるといい」
シュバルツ達はそれぞれ型を持ち魔法石を量産していった。
山のようにあった純度の低い魔法石は全て純度を引き上げられた宝石のような形になった。
「さて、続いては使い方だな」
無名の鍛冶はそう言って剣を作りはじめた。
その中に精錬された魔法石を1つ入れる。
魔法石は溶けていきそれを混ぜるように何度もハンマーを叩く。
あっという間に剣になり終わった頃には少し赤みかかった剣が出来上がった。
「こんなところじゃの」
シュバルツは無名の鍛冶の指導の元、剣を作りはじめた。
フランとミミ、シズノはもっと集めてくると初心者の草原の2層に向かった。
シュバルツは何度も失敗して感覚を掴んでいく。
何度目の挑戦かわからなくなった頃、1本の剣が完成した。
「うむ。まだまだだが、成功したな」
「少し外の空気を吸ってきます」
シュバルツはそう言って鍛冶工房の外に出た。
水魔法で水を出してごくごくと飲んでいく。
集中しているときはわからなかったが脱水症状の手前だったようだ。
無名の鍛冶は涼しい顔をしていたが危なかった。
シュバルツは体の熱がなくなったのを確認して鍛冶工房に戻る。
「今、戻りました」
「さて、感覚がなくなる前に修練あるのみだ」
シュバルツは再びハンマーを手に鍛冶に没頭していく。
そのおかげもあって、安定して属性の付与された武器を作れるようになった。
「うむ。これなら、この問題児も満足するだろう」
そう言って無名の鍛冶が取り出したのは剣喰らいの聖剣だった。
「そういえば忘れてましたね」
シュバルツは剣喰らいの聖剣を受け取り打った剣を近づける。
打った剣は霧のようになり剣喰らいの聖剣に吸収された。
シュバルツの打った剣がまだまだなのもあるだろうが剣喰らいの聖剣は満足していないようだ。
残りの剣も剣喰らいの聖剣に吸収される。
全ての打った剣を吸収させた結果、何とか満足してくれたようだ。
「これで一応、持ち主と認められたはずだ。だが、危機の時以外は使うなよ」
「わかりました」
シュバルツはアイテムボックスの中に剣喰らいの聖剣を収納した。
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