第67話

修行部屋にて十分な休息をとったので迷宮の攻略を再びはじめた。


奥の方まで入り込んでいるので他の冒険者と会うこともない。


「んっ・・・?この先に魔物が大量にいますね」


「あぁ・・・。魔物の家ですね」


「魔物の家?」


「魔物が溜まっている部屋のことをそう言うんですよ」


「避けますか?」


「いえ、せっかくの獲物ですから倒してしまいましょう。フランと僕が前にでるから2人はサポートをお願い」


「わかりました」


シュバルツとフランは恐れることなく魔物の群れの中に突っ込んで暴れていく。


フランが戦闘する姿ははじめてみるが安定している。


シュバルツも流れるように魔物を倒していく。


戦闘はあっという間に終わり部屋に静寂が満ちる。


「うわぁ。お2人共強いですね」


「動きを目で追うのがやっとでした」


4人で協力し魔物の死骸を集めさらに迷宮内を進んでいく。


この迷宮はあまり奥の方にくる冒険者がいないようで魔物の家がいくつも出来ていた。


「そろそろ戻りますか?」


シュバルツのアイテムボックスもそろそろ満杯だ。


「ここからなら迷宮のボスを倒して転移したほうが早そうです」


「なら、そうしようか」


フランの指示の元、巨大な扉の前までやってきた。


「ミミとシズノだけで戦ってみますか?」


「いいの?」


「えぇ。いい経験になると思います」


扉を開け中に入ると迷宮のボスと思われるホブゴブリンが待ち構えていた。


ミミが前に出てシズノが後ろに立つ。


ホブゴブリンをミミとシズノを認識したのか突っ込んでくる。


ミミが素早く回避しすれ違いざまに両手の短剣で斬りつける。


ホブゴブリンは攻撃されたことでミミをターゲットにしたようだ。


シズノは隙の出来たホブゴブリンに容赦なく槍を突きこむ。


まだまだ、改善の余地はありそうではあるが2人は安定した戦いを見せていた。


ホブゴブリンは膝をつき息も絶え絶えだ。


そこに2人はとどめと言わんばかりに攻撃を繰り出していく。


ホブゴブリンはそのまま倒れた。


「終わりましたね。2人共お疲れさまでした」


「ちょっとタフなだけでしたね」


「それは2人がそれだけ強くなっているということですよ」


「でも、調子に乗って怪我だけはしないようにね」


「はぁ~い」


「さて、それでは戻りましょうか」


ホブゴブリンの死体を回収し奥に現れた転移門に乗り迷宮を脱出した。


解体所に大量の素材を降ろしたシュバルツ達であったが解体所の職員の悲鳴が聞こえたとか聞こえなかったとか。

  • Xで共有
  • Facebookで共有
  • はてなブックマークでブックマーク

作者を応援しよう!

ハートをクリックで、簡単に応援の気持ちを伝えられます。(ログインが必要です)

応援したユーザー

応援すると応援コメントも書けます

新規登録で充実の読書を

マイページ
読書の状況から作品を自動で分類して簡単に管理できる
小説の未読話数がひと目でわかり前回の続きから読める
フォローしたユーザーの活動を追える
通知
小説の更新や作者の新作の情報を受け取れる
閲覧履歴
以前読んだ小説が一覧で見つけやすい
新規ユーザー登録無料

アカウントをお持ちの方はログイン

カクヨムで可能な読書体験をくわしく知る