第19話
父親であるシュタイナーが指示を出すと近くにいた騎士が走っていく。
戻ってきた騎士は剣と槍を持っていた。
「まずは剣からいこうか」
シュバルツは剣を手に持つずっしりと重いが持てないほどではない。
スライム狩りでレベルが上がって筋力が上がっているおかげだろう。
「ほう。ふらつくと思ったが結構力があるのだな」
シュタイナーはそう言って褒めてくれる。
「まずは私が振るから真似してごらん」
「はい」
シュタイナーの動きを見逃さないように注視する。
シュタイナーは上段から剣を振り下ろす。
シュバルツも真似してみる。
だが、勢い余って地面を叩いてしまって手に痺れが走る。
剣を手放す失敗はどうにか免れた。
「はは。力み過ぎだ」
シュバルツはもう一度剣を振ってみる。
今度はしっかりと止めることができた。
「ふむ。中々筋がいいな」
シュタイナーはそう褒めてくれるが剣に振り回されてる感じだ。
シュバルツは何度も何度も剣を振るう。
「次は槍を使ってみようか」
途中でそう言われて槍を手に持つ。
「槍は突いて戻す。これが基本だ」
シュバルツは見様見真似でやってみる。
「うむ。その調子だ」
シュタイナーは単純な動作を繰り返す。
こっそりステータスを確認すると剣術G-(Gマイナス)と槍術G-(Gマイナス)のスキルが増えていた。
計画通り。
これで後はこちらでも修練している偽装をしつつ修行部屋で修練すればいい。
「ふむ。後はお前の頑張り次第だ」
そう言ってシュタイナーは自分の修練に戻っていった。
去って行くシュタイナーにシュバルツはお礼を言った。
すぐに辞めては怪しまれるためシュバルツは運動場で剣を振るう。
体作りをしていて体力がある為素振りを続けていた。
それを見た騎士達は感心していた。
シュバルツが体作りをしているのは知っていた。
最近は図書室に行くためにその頻度が減っていたがそれでも毎日欠かさずに日課にしているのを見ていたのだ。
騎士達は公爵であるシュタイナーに忠誠を誓っていて中立である為、シュタイナーの子供達を平等に見ている。
他の公爵家の子供達も修練をするが幼い頃に自ら進んでやる子はいなかった。
継承順位が入れ替わることはないだろうが他の妃達は面白くないだろう。
シュタイナーが直接、指導したのもきっと耳に入るだろう。
目の届く範囲ではあるが出来る限り力になってあげようと思う騎士は少なくなかった。
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