第8話 神木の人形

 パスタマン、

 お嫁チャンを見失う。


 目の前で消えていくその姿。

 血の涙を流す。

 オッチャン。


 ハートの戦士発見。

 クイーン。

 ハイクラスの戦士。


 モードアンチョビー。

 クイーンとの距離を一気に詰め、 

 攻撃を……。


 しかし、パスタマン、

 停止。

 何故攻撃しようとしているのか、忘れる。


「モードアンチョビーは、速い。たしかに時を置き去りにする。しかし、それは僅かに時間の進行より速いだけ。一分前からの能力展開では、普通に効果がある」


『作者理解出来ず』

        (?_?)サクシャ


 振りかぶったフォークで斬りかかる事すら、忘れる。

 まさに無敵の忘却。


「貴様が、アリスか?」


 クイーンは、首を振る。


「いいえ、私は依り代。そして抜け殻、そして人形」


 変身を解除したオッチャン。

 タプタプのお腹をポリポリ掻きながら、

 クイーンに訊く。


「人形?どういう意味だ」


 クイーン、ベネチアンマスクを外す。

 スペードエースをも超える絶世美人。

 オッチャンの目、ハートマークに。

 しかし、すぐに気づく。

 美し過ぎると。


「私は、イカヅチで砕けた神木を哀れに思った人間が、拾い集めたその木で造られた人形。神木の意思がそのまま宿った人形の私は生み出してくれた人間イケメンに恋をした。そして、人間になりたいと思ってしまった。その心のスキをつけ込まれた。その時点では、形を持たなかったアリスは、私を依り代として自分の姿を生み出した」


 あまり、難しい事は、わからないオッチャン


        m(_ _)mサクシャモデス


 しばし、オッチャンとサクシャ会議する。


「こいつ、何を言ってるのか?」w⁠(⁠°⁠o⁠°⁠)⁠wオッチヤン


「わからない。当初こんなややこしい設定は無かった」(⁠@⁠_⁠@⁠)サクシャ


「設定なんて、作った事もないくせに。だから、話が止まってお嫁チャンを見つけられない」w⁠(⁠°⁠o⁠°⁠)⁠wオッチャン


「バレた!」

 (⁠*⁠﹏⁠*⁠;⁠)サクシャ


 会議終わり。


「つまり、お前は、アリスの母親?それとも分身?」


「私は、アリスの原初型。そして抜け殻。しかし、僅かに残った私を集め新たな存在を造った。それが、ダイヤの13」


「え!お嫁チャン」


「そうだ。あれは、アリスを滅ぼすため、私がこの世界に生み出したもの。アリスだけの反物質。ダイヤの13がアリスに触れることを時空は許さない」


「何のこっちゃ?」


「アリスに触れると爆発して、存在が消える」


「そんな」


 オッチャン、

 怯える。

 嘆く。

 絶望する。


『待て待て、ダイヤの13が、触れる前にアリスを滅ぼせば良い』


 作者から珍しく良い意見。

        (⁠◔⁠‿⁠◔⁠)エッヘン


「抜け殻の私にも勝てなかったのにか?」


 オッチャン、グーの音も出ず。

        m(_ _)mサクシャモオナジク


 アリスの力、記憶を奪い、

 心を奪う。

 戦う意思を奪う。

 振り上げた拳の行く先を見失わせる。

 平和の力。

 争いのない平和な世界は、忘却から生まれる。

 互いに許し合う事は、難しくとも、

 争う心そのものを失くせば、平和の街の灯がともる。


 それでも……。


 お嫁チャンと笑った記憶。

 お嫁チャンと泣いた記憶。

 

 生きてきた証を失う事は、このポッチャリお腹が、許しません。


 凛?

 と、言い切る、オッチャン、

 と、その揺れるお腹。


「そういうことだったか」


 突然のアリス降臨。


        (⁠・⁠o⁠・⁠)キュウテンカイ




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