昼休みの出来事~親友の視点~
『本当に俺と話したいのか?楓じゃなくて?』
『うん!言ったよね私、あなたのことがもっと知りたいのって?』
「彩雫は相も変わらずストレートに行くなぁ」
「ゆりっちがストレートに行くとかマジ成長?」
「「……」」
「覗きはダメだよ?高宮さん」
「はぁ?それはこっちのセリフなんですけどぉ」
「僕はいいんだよ。彩雫の親友だからね。笑って許してくれるよ。でも高宮さんは部外者でしょ?」
「当事者以外全員部外者でーす」
まさかこいつがいるなんてね。金髪、無駄に短いスカート、そして強調された胸を持つギャル。性格、見た目、学校での立場すべての最悪を兼ね備えた、僕がこの学校で最も苦手な相手。
どうしてそんなギャルが八重百合と?
『だし巻き玉子と鳥とひじきの巾着煮です。ちょっと味薄いかなと思ってたけど美味しいなら良かった!』
「ちょっと静かにしてもらえる?」
「あんたがどっか行けば、うちだって静かにするしー?」
「せっかく面白いことになっているのに、水差すのやめてもらっていいかな?高宮さんは無関係なんでしょ?八重さんの友人でもないんでしょ?」
「は?友人だけど何?ゆりっちの成長を見守るのがうちの役目なんですけどー」
ふぅん、大方わかった。
「それならちょうどいいね。僕も彩雫の成長を見守るのが役目だから」
「ふぅん……とりあえずあんたはいいや。それよりもー、階段上がってきてるやつらぁ、他人のプライバシーにかかわるのどうかと思うよー?」
「た、高宮さん!?すみません!」
噂をかぎつけたのか階段の下には多くの生徒が集まっていたが、今の一声でその多くが居なくなった。
ま、高宮さんギャルの癖に人望は暑いからね。とは言え所詮ギャル、まだ何人かは残ってるし甘いね。
「君たち、高宮さんが言ったように他人のプライバシーを覗くのはよくないと思うよ、僕は抵抗ないけどさ抵抗があるなら早く教室に戻りな、ね?君たちももし自分が覗かれたらいやでしょ?」
ギャルの後押しをするのは癪だけど、優先事項は屋上の一幕だからしょうがないかな?本当に癪だけど。
「うちはあんま好きなやり方じゃないけどーあんた結構やるじゃーん?」
「別に高宮さんに認められるためにやったわけじゃないんだけど?高宮さんが全員追い払うくらいの人望があれば僕が出る必要もなく問題なかったのにね」
「あんたうちにけんか売ってるの?マジ受けるんですけどー。あんた性格悪すぎてけんかする気も起きないっての」
「けんか?事実を言っただけだったんだけどな」
「「こいつ!」」
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