bonus1.5 混濁

いいえ’

寂しい部屋は白くなるばかりで一切の不秩序が保っていない。白い電灯はLEDなのだろうか?だと言うのにハム音は鳴り止まない


扉は無い。扉はある。筈なんだ。

見えてるものだけが真実とは限らないと言う戯言は

嫌なものからは目を背けろと言う甘言は


扉を叩く音がする。


何処からか私が入ってきた。


「▒▒▒ ▒▒▒▒今日はこれ、▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒▒」


ノイズ掛かった音が耳に響く。


私は本を持っていた。小さな本。28巻目。題名は長い。


「楽しそうでしょ?」


吐いた言葉に頷く。そこには私が居た。



熱があったんだと思う。



扉を乱暴に叩いた。私が入ってくる


今日の分のレポートを持っていた。難しくてあまり好きじゃない。


声は聞きたくない。


目を瞑る事にした。



▒▒▒▒▒▒▒▒



目を閉じていると、学校のチャイムが鳴った。

目を開くと、そこは学校のグラウンドだった。

遠目にはの三瀬河小学校がある。佐藤君はまだ帰ってないかな。

そうだ、今日はお父さんも帰りが遅いし、たまには家に誘ってみよう。

私は鉄棒の上から飛び降り、学校の昇降口へ向かった。



扉を潜ると夜の街に居た。終電は無くなってしまったし、かと言ってネカフェに止まってしまうのもはばかられる。いい歳した女がこんな所フラフラしてるのもどうかと思ったんだけどさ。


会社の自販機で買った缶コーヒーはすっかり冷めてしまった。朝は日差しでそこそこ暖かかったからか、お日様の無い夜はとてつもなく寒い。朝の時点でそれを察知出来ていれば、秋の暮れにスーツ一枚で街灯の切れかかった街を無様に歩くOLなんていなかっただろうに。


この際、実家に帰るって言うのも一つの手かな、歩いて1時間くらい掛かるけど、乏しい財布を酷使するよりは、朝にお母さんに送って貰う方が都合がいい。

少し迷惑はかかるけれど、引っ越した一人娘が珍しく顔を出すんだから、そのくらい甘えても許してよという事で。

はぁ…遠いな、寒いな。



目の前には薬瓶があった


私は薬瓶を開いた


中には罵詈雑言が入っていた


中身を1つ取りだし、飲み込んだ


だんだんと眠たくなる……___

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