夢想の創造 〜幻想世界に生きる〜

竜の使い

ー第一部 幻想世界で人は夢を見るー

第一章 怪物たちの静かな胎動

第1話 プロローグ

ある日、世界各地で空間に亀裂が走った。


突然表れた謎の亀裂と超能力者に世界中が驚き、そして混乱した。


すぐに多くの国が亀裂の周辺や内部の調査を行ったが、この亀裂はなんなのか、なぜ現れたのか、どういう原理で何もない空間に亀裂ができたのか何も分からなかった。


分かったことと言えば、亀裂周辺には靄がかった黒色の異形な生き物や、動く人型の岩塊、ツノの生えた馬など空想とされてきた動植物が生息し、亀裂の内部を覗いてみると、全ての亀裂の入口を入ってすぐのところに石を積み重ねたような遺跡が建っていることである。


しかし、それ以上の調査がされることはなかった。


先んじて内部の調査を行おうとした国の軍隊が亀裂の前にいた異形の生き物に襲われて壊滅したためだ。その国は世界の中でも軍事力が強い国であったため、危険視した各国が監視だけに留め内部の調査はすぐさま中止したのである。


その後、周辺の環境のあまりの変化、社会混乱など様々な要因から、内部の調査は後回しにされていた。

初めは混乱していた人々も、亀裂に入りさえしなければ自分達に害がないということで次第に混乱も収まった。


しかし、何もしないという事も問題であると判断した上層部は数ヵ月後、世界中で一斉に次元門クラックゲートと呼ばれるようになった亀裂の内部に調査団が派遣されることとなる。







それが破滅の始まりの始まりだとも知らず。







その日、世界中の次元門クラックゲートが拡大し、化け物が溢れ出した。


突然の出来事に人類は混乱したが、すぐさま軍による抵抗で黒靄の化け物と空想生物の7割を殲滅することはできた。

しかし、残りの3割の化け物には銃火器が全く効かず、時間が経つにつれてより強大になっていった。


後に化け物が空想上の生物と酷似していることから、『寓話獣フィクート』と呼ばれるようになった化け物と殲滅しても直ぐにまた現れる『クロ』と呼ばれるようになった黒靄により、人類の抵抗も虚しく、生存圏は瞬く間縮小していき、滅亡の危機に瀕した。


だが、亀裂の発生と同時期に現れた超常の力を使う人物、超能力者の力が銃火器が効かない化け物に通じることが判明すると、人類は勢いを取り戻し、なんとか世界の3割の土地を取り戻すことに成功する。


後に『空想侵略くうそうしんりゃく』または『ノンフィクション』と呼ばれるようになったこの事件。


だが、さらに後年には『序章の日プロローグ』と呼ばれるようになる。



そう、この出来事はまだ始まりにすぎなかった。



そして、超能力と認知された力は、本当の能力のほんの一部にすぎない。


物語はそれから30年後から始まる。



さあ、知恵あるモノよ『終焉の日エピローグ』を超え、『安息の日常アフターローグ』を目指せ。


己が世界の夢幻を想像し、無限に創造せよ。



世界物語はまだ始まったばかりだ。 

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