第四話 〜それは繰り返す呪いだったらしい〜
今回は転生後すぐに記憶が蘇った…
なのになんでだよ…なんで
〝ゴフ〟
口から血を流しながら、私は死にそうになっている
どうやら私を産んだ女は色々問題を抱えてたらしく、出産の最中に腹を刺されたらしいのだ
そしてその刃が私の事も貫いた…
本来不老不死の私は死なないのだが、どうやら出産した女は真祖の吸血鬼らしく…つまり刺した武器は不老不死を殺す為のものだったらしい
だから私は今、血を吐いて…もうダメだ…意識がとお…のー
駄神「お、
すみませんでした!実はー」
あなた「分かってる!死んだんだろ!
今回は転生してすぐ記憶を復活させ、不老不死の効果まで発動してたのに!
なんで誕生する前から殺されるんだよ!
おかし過ぎるだろ!転生すら出来ないって!」
駄神「その…それについてなんですが、どうやらあの〝超絶不可避の不運〟が働いたようで」
あなた「はぁ?ふざけるなよ!
それ、つまりはお前のせいだよな!チッ
おい駄神!なら次はそれを打ち消せるだけの〝祝福〟を刻み込め!」
駄神「え、えぇ!ただえさえ最初のお詫びにチート能力を与えて、今回不老不死まで与えたんですよ!
〝魂〟に刻んだ〝祝福と呪い〟は〝浄化以外では消せない〟んですよ!だからこれ以上の〝祝福〟を刻んだら、どんどん化け物みたいに強くなってー」
あなた「それがどうした!元はといえばお前が私の〝超豪運〟を〝反転〟させたのが原因だろ!
良いからさっさと〝祝福〟をよこせよ!」
駄神「そ、そんな!1人に本来〝祝福〟は多くても十数個位なのに…もうすでにチート能力や不老不死授けたりで数万個の〝祝福〟を与えてるんですよ!
これ以上与えたら流石に過剰過ぎで世界バランスがー」
あなた「お前にそれが言えるのか!良いからさっさと寄越して転生だ!
言ったもんなお前!記憶を取り戻した後の人生は必ず幸せになりなさいよ!って!
ならその為に良いから言う事聞くんだよ!」
駄神「ひっ!す、すみません!そんな怒らないで下さいよ!わ、分かりましたから!」
こうして私は新たに無数の〝祝福〟を〝魂〟に刻み込みそうして私は再び転生をした
そしてまた記憶の復活後にすぐ死んだのだった
1回目同様、成人後に転生すれば何故か決まってチート能力にあぐらをかいた記憶ない私が暴れて、処刑送りで殺される…しかもチートを封じられて!
だからと言ってチート封じを無効にする〝祝福〟を刻んでも〝死なない〟ならと〝死を迎える〟のではなく〝消失〟による〝間接的死〟に切り替わっただけだった!
ある時は転生して少し成長し、周りにも恵まれた瞬間に記憶を蘇生させれば…そう考え実行
しかしそんなやり方をすれば、理不尽な隕石や爆発による肉体消失で死んだ!
またある時は生まれる前から記憶を復活させて、誕生すれば良いと考え実行
そしたら母体が死に絶え結果、誕生できず死!
そんなトライアンドエラーをひたすら繰り返し
数多の死を経験した…
転生して
記憶を取り戻し
その瞬間死んで
駄神を攻めては
〝祝福〟を〝魂〟に刻み
〝チートを超えてチートを持って〟
そして再び転生して
また死んで
条件を変えても、チートを持っても、いくら試そうとも
何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も何度も…
何度だって繰り返しても死が私から離れない!
私がいけないのか!ただあの駄神がやらかした理不尽で死んだから、次の生で〝幸せに生きる為に〟色々望んだだけだろ!
なのになんで私だけがこんな事になるんだよ!
おかしいだろ…絶対に…おかしい、だろ
こうして私はまた記憶の蘇生と共に死んだ…
駄神「
あなた「なぁ駄神…」
駄神「はいなんでしょうか」
あなた「私はね、ただ幸せが欲しいだけなんだ
〝チート能力〟とか〝不老不死〟とか〝祝福〟とかさ、そこまで要らないんだよ…実際
私は、いや僕自身はただ…
そうただ〝僕自身〟が〝僕自身のまま〟で幸せに生きたかっただけなんだよ…
それ以上を望んだことなんて、ほとんど無かったんだよ…
最初に駄神のミスで理不尽な死を迎えた時も
みんなが僕の事を超天才だって崇めて、勝手に期待して色々と〝次は何をするんだ〟〝何を成し遂げるんだ〟〝彼はすごいから大丈夫〟…そうやって〝神様〟みたいに崇められた時だって
ただ僕はそれに応える事で、僕自身の証明をしていたに過ぎないんだ、その為だけに頑張っただけなんだよ!」
駄神「
あなた「僕はただ僕自身が幸せである為に
周りの人にも…みんなにもただ幸せに笑っていて欲しかっただけなんだ
みんなが暗い顔して俯いて泣きそうになってたら、コッチも悲しいから…だから僕が僕自身として幸せになれる為にみんなの幸せを望んで頑張ってただけなんだよ…」
駄神「…ごめんなさい
私が怠けた上に君にだけこんな〝
全部私のせいだよね…」
あなた「なぁ、駄神…いや神様
お願いがあるんだけど…」
駄神「うん…今回の転生条件の事だよね
大丈夫だよ!私は君の味方だからね!
これまで通りなんでも言って!
君にこんな〝
記憶を取り戻した後の人生が必ず幸せになるようにって!
だからそれまでコレからあと何万、何兆…無限に近い数を繰り返す事になっても
私はあなたの幸せを諦めないからね!」
あなた「…ありがとう
ならお願い神様…僕を…〝浄化〟して」
駄神「うん、分かったよ!
じゃあ次はその条件で転生をー
…えっ、今なんて言ったー」
あなた「だから…もう僕は僕として幸せは掴めないからさ…〝浄化〟してほしいって言ったんだよ
だってコレはもう、そう言う呪いだからさ
だからお願い…もう僕をこの無限の地獄から解放してほしいんだ…神様の手で…お願い」
駄神「そんな…だって、だってここまで頑張ってきたじゃないか!色々試して私に嫌味ばっか言いながらも頑張ってー
それを今やめるって言うの…もう数なんて数え切れないくらいの転生をして誰も到達出来ない
神々や世界すら超越するほどの…私や他の神様達すら敵わないほどの〝恩恵や祝福〟を手にした〝全ての頂点に立つ存在〟になった君が!
もはや死ぬ事すら…殺す事すら不可能な程完全完璧過ぎなくらい〝超越した存在〟にまでなったのに!
あと少し、もう少しすれば…
必ずこんな繰り返す…〝始まらず終わる〟そんな〝転生地獄〟から抜け出すんだって!
なのに…なのになんで、なんで今さら」
あなた「もう…疲れたんだよ
無限に近い、、数すら数え切れない転生を繰り返しても…超天才的な僕の頭脳を持ってしても、死に続けるこの終わらない転生から抜け出せない!
この終わりなんて見えない〝転生の輪廻〟を超えられない!
いくら全てを持っていようと無理だった!
それら全てを否定して僕を殺しにくる!
何度繰り返しても必ずだ!
だから…もう疲れたんだよ…
神様…僕の最後のお願いを聞いてよ…
お願いだから〝浄化〟してよ…」
駄神「………分かった、
君のその地獄から解放してあげる
…神様権限発動
あぁ僕自身が積み上げていた全てが消えていくのが分かる…これが〝浄化〟なんだ
あはっ、無理して私なんて喋り方してたのに…
最後の最後で僕は駄神に弱みを見せてしまったようだな…
でも良かったのかも知れない…駄神には悪い事したし散々酷い事言ったのに…それでも見捨てずに協力してくれたから…最後に素を見せれて
あなた「ねぇ駄神」
駄神「なんだよ…グス」
フッ何泣いてんだよ駄神らしくもない…でも
あなた「ありがとう…」
駄神「!!
っ、やっぱ
君の浄化なんてー」
???「
駄神「あっ…あ…う…あっ…あぁぁぁぁぁぁ」
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