第5話

「あの、これは、何でしょうか?」


「見ての通りぬいぐるみだよ。」


いや、それは見て分かるんだけど


「やっぱり、上手に出来てるよね。お兄ちゃんぬいぐるみ24号」


いや、いやいや、24号って、目が覚めたら俺に似たぬいぐるみ沢山置いてあって何だこりゃ!!と思ったけど、そんなに数があったのか!!


「うん、やっぱり可愛い」

春は、ぬいぐるみを集めることが趣味で、昔にあげたぬいぐるみを大切に持ってくれて居た。


俺も春の気持ちを支える趣味のきっかけを作る事出来て嬉しかったんだが、


まさか、俺にそっくりな、ぬいぐるみを何個も隠し持って居たとは


「コレとか、本物の髪なんだよ。」


「えっ?」


「ほら、お兄ちゃんの髪をよく切ってあげてたでしょ。これに使ってんだよ。捨てないで、リサイクル、リサイクル」


衝撃的過ぎる、事実!!


やたら、俺の髪を切りたがって居たから、やらせてあげてたけどまさかそんな理由が、


「お兄ちゃん、ほら笑顔、笑顔」

できるかぁ!!自分の髪を使った、自分の顔をモデルにしたぬいぐるみを体中に置いて、そんな笑顔出来る訳ないだろ!!


「お兄ちゃん、顔してくれるまで、ご飯抜きだから」

俺は察した。これからもきっとこうやって脅されて、あらゆることをすることになるんだろう。

ーーー

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